請願第8号 (平成15年) 国保料の引き下げ、減免等制度の改善を求める請願
受理日:平成15年9月10日
付託委員会:保健福祉
議決日:平成15年9月26日
議決結果:不採択
益田 牧子
請願第八号
国保料の引き下げ、減免等制度の改善を求める請願
主 旨
一 滞納を理由とした保険証の取り上げや資格証明書の発行は絶対にしないこと。保険証を全ての被保険者に交付すること。人権を無視した短期保険証の交付は直ちにやめること。
二 保険料の減免制度(申請)を大幅に拡大し、市民にわかるように周知徹底すること。
特に、減免要項の見直しを抜本的に、さらにすすめ、生活保護基準以下の低所得者には何らかの減免が適用できるように改善すること。
三 医療費の一部負担金(三割)の減免制度をつくり、市民に周知徹底すること。
四 早期発見により医療費の抑制に役立つ人間ドック利用の予算を増額し、対象枠を広げ、費用の七割を助成すること。
理 由
国保は、国民の社会保障制度、医療保障制度の大切な柱です。保険料が払えないのは悪質滞納者ではありません。不況で国民の生活が困窮し、しかも政府が社会保障切り捨ての政策を強行し続ける中で、全国で国保証を取りあげられて病院に行けずに死亡するという事件が相次いでいます。経営難や首切りなど経済的困難が背景にあり、その人たちに確実に国保証を保障するのが、自治体の責任です。
滞納世帯は全国で四百十一万世帯にものぼり百万三千世帯には新規の保険証が交付されず深刻な社会問題になっています。熊本市でも二万六千世帯近くが滞納し、そのことを理由とした短期保険証の発行、保険証の未交付が改善されず病気になっても患者になれない、適切な医療をうける権利が奪われています。また、資格証明書の発行は受診抑制につながり、命に関わる事態が生まれかねません。
短期保険証という制裁措置は、一度手を付けると悪循環に陥り、収納率が上がることはありません。根本的に、安心して払える保険料と安心して医療が受けられるという姿勢を貫かない限り、制裁や保険料の取り立てという行政では、ますます事態は悪化します。人権侵害にもつながりかねない保険証未交付を直ちに解決してください。市民の立場に立った制度への転換をお願いします。いまこそ自治体が「住民の福祉の増進を図る」(地方自治法第一条の二)という本来の使命を最大限に発揮するよう求めます。