請願第1号 (令和04年) 熊本市中心部における分煙環境整備に関する請願
受理日:令和04年6月10日
付託委員会:予算決算
議決日:令和04年6月29日
議決結果:採択
澤田昌作
坂田誠二
井本正広
主 旨
1 熊本市中心部において、熊本市が公設喫煙所を整備することを求めます。
2 望まない受動喫煙を防止する観点および安全で快適な街創りの観点から、官民双方が連携し、分煙環境整備を実施することを求めます。
理 由
2019年7月の熊本市役所敷地内喫煙所の閉鎖に引き続き、2022年3月下旬に4か所の公設灰皿が撤去となって以降、喫煙者(熊本市20歳以上人口の16.7%、約10万人超)は、熊本市中心部での喫煙場所を無くしています。大半の喫煙者は、喫煙マナーを守り、決められた場所で喫煙を行っていますが、一部では「吸い殻のポイ捨て」や「歩きたばこ」等の喫煙マナーの低下が見受けられ、私有地に設置してある数少ない灰皿に喫煙者が集中し、望まない受動喫煙の懸念が増大しています。そもそも、喫煙所の閉鎖や撤去は望まない受動喫煙を防止することを目的とされていたにも関わらず、意図する成果には繋がっていないものと思われます。
喫煙に際して、喫煙者は周囲の方への心配りを行い、喫煙マナーを守り、非喫煙者はルールを守る喫煙者に過度な要求をしないなど、たばこを吸われる方と吸われない方との双方が協調することで共存が可能になるものと考えます。特に、熊本市中心部という人が多く集まる地域においては、たばこを吸われる方と吸われない方双方の立場を考慮したうえで、利用目的や利用実態に応じた適切な喫煙場所を設置、管理することにより、「望まない受動喫煙の防止」「安全で快適な街創り」が可能となるのではないでしょうか。
また、分煙環境整備については、行政が中心となって民間と協働することが肝要と考えます。熊本市は行政主導の分煙環境整備は考えていないというお考えを示されていますが、飲食店やたばこ販売店等、民間事業者による喫煙場所の設置は、設置費用以外に維持管理にかかる費用と労力が必要であり、経済的、身体的、精神的な負担を考慮すると、民間の努力だけでは限界があります。既に、熊本市では「熊本市路上喫煙及びポイ捨ての禁止等に関する条例」が制定され、路上喫煙の制限が課されています。市民の権利を一定制限するのであれば、偏った制限ではなく、公平性の観点から、喫煙場所を設置することは行政の責務と考えます。
たばこは、たばこ事業法で規定された合法の嗜好品です。熊本市のたばこ税収は年間約48億円であり、熊本市の財政面においても長年にわたり多大な貢献をし、充実した市政に寄与しているものと認識しております。
喫煙場所の減少は「望まない受動喫煙の増加」「ポイ捨ての増加による環境悪化」を増幅させるばかりか、税収の減少に繋がることも考えられます。「令和4年度与党税制改正大綱」にて、「地方公共団体による屋外分煙施設等の整備の促進」が明記されており、総務省からの自治体への通知においても、「屋外分煙施設等のより一層の整備を図るために、積極的に地方のたばこ税の活用を検討していただきたいこと。」とされています。さらに、厚生労働省の健康局長通知「健康増進法の一部を改正する法律」の一部の規定の施行について(受動喫煙対策)の、第1、1項には国及び地方公共団体の責務に関する事項の中には、「屋外分煙施設の整備」の記載がされております。
以上のことから、熊本市中心部においては、熊本市が公設喫煙所の整備に取り組み、分煙環境整備に関して民間と連携して取り組んで頂くよう請願致します。