請願第5号 (平成13年) 児童育成クラブの充実と指導員の身分の保障を求める請願
受理日:平成13年3月2日
付託委員会:教育市民
議決日:平成13年3月27日
議決結果:不採択
益田 牧子
請願第五号
児童育成クラブの充実と指導員の身分の保障を求める請願
主 旨
一 育成クラブ指導員の任用期間を一方的に五年で打ち切らないこと。
二 子どもたちの健やかな育成を保障するために、指導員の労働条件を改善し、社会的地位の向上をはかること。
理 由
熊本市ではこの間、「子どもたちの放課後を一人ぼっちで過ごさせることはできない」「安心して働き続けたい」という父母の願いに応え、地域や行政・議会など多くの方々の協力で、昭和四二年からこれまで六四ヵ所の施設が開設されました。そして、子育てをしながら働きつづける父母とともに、その願いを受けとめて子どもたちの健やかな育成のために努力されてきた指導員の先生も、現在では二百人を超えています。
今回、熊本市が平成七年に行った「指導員は五年で再任用をしない」という実施要項の改定によって、今年度末で三十七人、来年度末で八十三人が退職を余儀なくされます。
指導員の先生は、個性豊かな子どもたちの気持ちや心の状態をとらえ、子どもたちの心身ともに健やかな成長を育んでいます。そして、子育ての悩みや喜びを父母と共有し、良き助言者となっています。
今、子どもたちのおかれている環境は、いじめ、不登校、学級崩壊、引きこもりなどかつてないほどの厳しい状況にあります。現代社会に存在する様々な危険から子どもたちを守るために、留守家庭の子供達を一人ぼっちにしないで集団の遊びの中で癒すなど、父母や地域から育成クラブへの信頼は大きくなっています。
働く親は、子ども達が慕い、経験を積んだ指導員の先生には続けてほしいと考えます。また、研修を質量ともに充実するなど指導員の力量を高め、指導員が意欲を持って安心して働き続けられる労働条件の改善こそ願っています。
全国で広がった父母・指導員、地域からの運動や行政の努力により、平成十年、「放課後児童対策事業」が「法制化」され、児童福祉法にきちんと位置づけられました。
この「法制化」の主旨をふまえ、育成クラブが子どもの豊かな放課後と父母が安心して働き続けられる保障となるように、前記の点について対策を講じていただきますよう請願いたします。