請願第7号 (平成25年) 「年金2.5%削減法」を廃止する意見書採択に関する請願
受理日:平成25年6月6日
付託委員会:福祉子ども
議決日:平成25年6月21日
議決結果:不採択
益田牧子
主 旨
一八一臨時国会で成立した、年金二・五%削減は、高齢者の生活に深刻な影響を及ぼすばかりでなく、地方自治体の財政にも大きな影響を与えるものであり、このような法律を廃止するよう、政府に提出する意見書を採択して頂くよう請願します。
理 由
高齢者に欠かすことのできない年金は一九九九年(平成一一年)の増額改定以後、断続的にマイナス改定が続き、二〇一二年までに合わせて二・二%の減となっています。スライドの基準となっている消費者物価指数は、高齢者の生活とは縁の薄い耐久消費財の価格低下などを色濃く反映し、反面、税・保険料や医療費・介護利用料の増額は全く除外されており、これを基準としていること自体が極めて不当です。この一三年間、年金受給者はいわれのない被害を一方的に受け続けてきました。
厚生年金の平均受給月額は、二〇〇〇年に一七六九五三円だったのが、二〇一〇年にいたって一五三三四四円にまで一三・三%も下がっています。そして高齢者の四二%、女性では六五%もの人々が一〇〇万円未満の生活を強いられています。
そうした中で去る一八一臨時国会に過去の特例措置分を解消するとして、向こう三年間で二・五%削減する法律が国会解散間近に成立させられました。この削減はこれまで実施できなかった「マクロ経済スライド」をデフレ経済下でも発動するための地ならしの役目も担っています。これが実施されると、少なくとも毎年〇・九%の削減が一〇年以上に亘って続くことになります。
このような年金の削減は、高齢者の生活に直結するだけでなく、将来に亘り年金削減の流れに道を開くものになり、若者を中心に年金離れが深刻さをましており、年金制度への信頼はさらに低下することは明らかです。
地方六団体の中でも、市長会、町村長会などは、年金削減が自治体財政に及ぼす影響について言及しています。
このような事態を踏まえて、地域経済を守るためにも、地方自治法第九九条の規定による意見書を国に提出されるよう請願します。