請願第1号 (平成24年) 最低保障年金制度等の実現を求める意見書の提出に関する請願
受理日:平成24年2月22日
付託委員会:保健福祉
議決日:平成24年3月21日
議決結果:不採択
益田牧子
主 旨
一 消費税によらず、現在の無年金、低年金者にも適用する最低保障年金を一日も早くつくること。
二 無年金、低年金者への緊急措置として、基礎年金の国庫負担分三・三万円を直ちに支給すること。
三 年金受給資格期間を二五年から一〇年に短縮すること。
以上三項目について、政府ならびに関係省庁に意見書を提出して下さい。
理 由
日夜熊本市民の生活と安全に、ご尽力頂いていることに感謝と敬意を表します。
政府が今進めている「社会保障と税の一体改革」では、今後一三年間に連続して年金支給額を引き下げ、二〇二四年には一九九九年比で一四パーセントの年金カットになります。この間、年金保険料は上がり続けます。最近発表された、内閣府の経済社会総合研究所「世代別年金の生涯収支」の試算では、一九六〇年生まれ(今年五二歳)以降の人は、生涯収支が赤字になる、六〇年生まれで二八三万円、八五年生まれ(今年二七歳)で実に七一二万円の支払い超過になる、ということです。これでは、公的年金制度の魅力は消え失せ、制度の崩壊を引き起こすでしょう。
私たち全日本年金者組合は創立以来、最低保障年金制度を要求して運動してきました。老後の、生活できる所得保障として月一人八万円を国庫負担で、日本に一〇年以上在住するすべての人に支給する一階部分と、納めた保険料に応じて支給される二階部分で成り立つ仕組みです。
この制度の実現により、無年金者また国民年金の受給額平均月四・四万円という低年金者の問題は一挙に解決すると同時に、厚生年金で平均・男性一九・三万円に対して女性一一・二万円という大きな男女差別問題が相当程度解消されます。
財源は現在の基礎年金の国庫負担分と企業負担分を充てるとともに、現在の偏りすぎた所得の再分配により、すなわち所得の大きいところに応分の負担を求め、またムダな軍事費・米軍駐留経費や大型公共事業費などを削減すれば、生みだすことができます。安易に逆進性が強く社会保障には不適当な消費税率引き上げに走る事は本末転倒です。年金・社会保障改善を行えば、消費は拡大し企業収益も増大し賃金引き上げも可能となり、経済成長をもたらします。社会保障の削減、低賃金、安すぎる下請け単価などが国内経済を疲弊させ、いっそうの貧困をもたらす貧乏神の悪循環を断ち切らねばならない、のではないでしょうか。
なお、以上の制度ができるまでを待たずに緊急の措置として、基礎年金の国庫負担分に見合う三・三万円の支給など請願三事項についての意見書の提出を併せてお願いします。