請願第12号 (平成23年) 最低保障年金制度等の実現を求める意見書の提出に関する請願
受理日:平成23年9月5日
付託委員会:保健福祉
議決日:平成23年9月29日
議決結果:不採択
益田牧子
主 旨
一 消費税によらず、現在の無年金、低年金者にも適用する最低保障年金を一日も早くつく ること。
二 無年金、低年金者への緊急措置として、基礎年金の国庫負担分三・三万円を直ちに支 給すること。
三 年金受給資格期間を二五年から一〇年に短縮すること。
以上三項目について、政府ならびに関係省庁に意見書を提出して下さい。
理 由
現在の年金制度が、国民の老後の所得保障の制度としてはきわめて不十分で、このため制度への信頼が大きく揺らぎ、制度自体が崩れるのではないか、早急に改善すべきという点では党派、各種団体の違いをこえて共通認識となっています。
政府の「社会保障集中検討会議」は、六月はじめ改革案をまとめ、その中で最低保障年金を打ち出しています。政府与党の民主党の従来の説明とあわせみますと、その制度では現在一一八万人と推定される無年金者はもちろん低年金者にも適応されない仕組みになっています。私たち全日本年金者組合は創立以来、最低保障年金制度を要求して運動してきました。老後の、生活できる所得保障として月一人八万円を国庫負担で、日本に一〇年以上在住するすべての人に支給する一階部分と、納めた保険料に応じて支給される二階部分で成り立つ仕組みです。この制度の実現により、無年金者また国民年金の受給額平均月四・四万円という低年金者の問題は一挙に解決すると同時に、厚生年金で平均・男性一九・三万円に対して女性一一・二万円という大きな男女差別問題が相当程度解消されます。
財源は現在の基礎年金の国庫負担分と企業負担分を充てるとともに、現在の偏りすぎた所得の再分配により、すなわち所得の大きいところに応分の負担を求め、また無駄な軍事費・米軍駐留経費や大型公共事業費などを削減すれば、生みだすことができます。とりやすいといって、安易に消費税率引き上げに走る事は本末転倒です。年金・社会保障改善を行えば、消費は拡大し企業収益も増大し賃金引き上げも可能となり、経済成長をもたらします。社会保障の削減、低賃金、安すぎる下請け単価などが国内経済を疲弊させ、いっそうの貧困をもたらす貧乏神の悪循環を断ち切らねばならない、のではないでしょうか。
なお、以上の制度ができるまでを待たずに緊急の措置として、基礎年金の国庫負担分三・三万円の支給、年金受給資格期間を現行の二五年から一〇年に短縮の一時も早い実現をもとめる意見書の提出を併せてお願いします。