請願第22号 (平成19年) 学級定数を減らしゆきとどいた教育を求める請願
受理日:平成19年12月10日
付託委員会:教育市民
議決日:平成19年12月21日
議決結果:不採択
東すみよ
益田牧子
主 旨
中学校一年生への「三五人学級」の導入
理 由
「少人数学級導入を」という市民の声に応えて、熊本市が独自予算で「小学校四年生までの三五人以下学級」を導入したことは、父母や教師の間で高く評価されています。「三五人以下になって児童一人一人に行き届くようになった」という声をよく聞きます。
熊本市が設置した「少人数学級に関する検討委員会」において、「中学校への少人数学級を導入することに積極的な意見」の中に、次の二つがあります。
○ 中学一年生は小学校からの移行期であり、非常に難しい学年である。そこで中学一年生にきめ細かな指導をするために少人数学級や少人数指導を導入することが望ましい。
○ 中学校においても三六人を超えると学級運営が厳しくなってくるので、中学校への少人数学級の導入も検討してほしい。
この意見は、まさに現在の中学校教員の声を代弁しています。
市長も、「子供の個性を育む教育環境を整備するため、中学校一年生の少人数学級(三五人学級)を実現」することを公約に掲げて再選されました。
山形県、福島県などの先進県では、中学校への導入も進んでいます。市民の間でも小・中学校すべてのクラスで「少人数学級」を早く実現してほしいという声は日増しに大きく広がっています。
議会会派の「市民連合」が二〇〇八年度の予算編成について、市長あてに「小学五、六年生、中学一年生の三五人学級の実現」を含む要望書を渡されたのは、上記のことを受けてのことで、われわれ父母や教員の求めるゆきとどいた教育の実現を後押ししてくれるものであると喜んでおります。
なお、わが国の一学級当たりの平均生徒数は中学校は三四・二人で経済協力開発機構(OECD)諸国の平均である中学校二一・九人を上回り、いまだ世界水準に達していません。このことはOECDが五七カ国・地域で行っている国際学力テスト「学習到達度調査(PISA)」において、日本の生徒の「読解力(一五位)」「数学的活用力(一〇位)」「科学的活用力(六位)」などが低下し続けていることと無関係ではありません。日本は、一クラスの人数が多すぎて、発表や討論の機会が少なく、生徒が積極的に参加する授業ができていない実態が一因と指摘されています。
生徒一人一人にゆきとどいた教育をすすめるためにも、ぜひ「中学校一年生に三五人学級」を導入していただきたいと思います。