請願第10号 (平成08年) 「介護保険法案」の拙速な国会上程に反対し国民の要求にこたえる公的介護保障の確立を国に要望するよう求める請願
受理日:平成08年6月10日
付託委員会:教育民生
議決日:平成08年6月20日
議決結果:不採択
益田 牧子
請願第一〇号
「介護保険法案」の拙速な国会上程に反対し国民の要求にこたえる公的介護保障の確立を国に要望するよう求める請願
主 旨
下記事項につきまして、政府に意見書を提出して下さい。
一 介護保険構想を白紙にもどし、市町村並びに国民に過重な負担を強いることなく、国民の願いにこたえる介護保障を確立するために、十分に時間をかけて国民的合意をはかること。
二 国の責任で介護保障を確立すること。
三 高齢者保健福祉計画(ゴールドプラン)達成に必要な財政措置をとること。
理 由
高齢化社会が進むなか、医療・福祉施策の充実を求める願いはきわめて切実となっています。とりわけ介護問題は、より多くの人々にとって身近な問題となっており、しかも重症化・長期化が進むなかでその充実をはかることは、介護問題を抱えている人々だけでなく、多くの人々の切実な願いとなっています。
厚生省は、こうした介護に対する国民の切実な願いを解決するとして、今国会で「介護保険法」を成立させようとしています。
五月三十日に発表された厚生省試案によれば、保険事業主体を市町村とし、財政負担が市町村へ大きくしわ寄せされようとしています。保険者への財政支援策として、「介護保険者連合会」なるものを設置するとのことですが本質的には国が財政支援を行うことではなく、保険者間のやりくりでしかありません。国庫負担の削減により、一般会計からの繰り入れを余儀なくされている国保制度の二の舞となることは明らかです。
しかも特別養護老人ホーム、あるいはホームヘルパーなど人的施設的整備が不十分ななか、一九九九年度から「在宅福祉」を実施し、「施設サービス」は二〇〇一年から行おうとしていることは、ゴールドプランが思うように進まないなかで制度だけを先行させる事は大きな問題です。
今必要なことはゴールドプランを早期達成していくこと、そのために国の責任による財政措置を執っていくことだと思います。
介護保険の財源確保のためとして、年金生活者も含め四十歳以上の成人から定額を基本にした保険料の負担や、さらに介護を受ける際には利用料が必要など国民負担の増大が懸念されます。
所得の少ないお年よりは介護保障の対象外となりかねず、多くの国民の介護保障の願いとは程遠いものとなってしまいます。
つきましては、真に国民の願いにこたえる公的介護保障の実現を願い、上記主旨の事項について請願いたします。