請願第4号 (平成08年) 障害者小規模作業所に対する国庫補助金制度の改善と充実を求めての意見書提出等に関する請願
受理日:平成08年3月4日
付託委員会:保健衛生
議決日:平成08年3月28日
議決結果:不採択
益田 牧子
請願第四号
障害者小規模作業所に対する国庫補助金制度の改善と充実を求めての意見書提出等に関する請願
主 旨
国への意見書提出について。
小規模作業所に対する国の補助金制度については、現行の障害者別制度を一本化し、補助金の大幅な引き上げ、ならびに都道府県・政令指定都市・市町村を通じてすべての小規模作業所に交付するなどの面で改善するよう国へ意見書提出を行ってください。
理 由
小規模作業所は、全国的に急速な勢いで増え続け、一九九五年八月現在で三,八〇〇ケ所を越えました。
本熊本県でも二十一ヶ所(一九九五年一二月一日現在)となり、障害をもつ人々、とりわけ重度・重複障害者や精神障害者にとっての地域における現実的な働く場、そして、社会参加を実現していく上で重要な役割を果たしており、無視できない貴重な社会資源となっていることも事実です。一九九五年五月に総理府が発表した「市町村における障害者計画策定に関する指針について(通知)」においても、市町村の障害者福祉の現状把握において、小規模作業所問題が明確に位置付けられています。
このような小規模作業所が急増する背景には、わが国の成人期障害者対策の不十分さ、施設体系の不備、授産施設などの法定施設の絶対数の不足と同時に地域偏在など、いくつもの問題点を持っています。一方、障害者自身や家族、関係者による地域生活に対する高まりと、さらには貴熊本市をはじめ、多くの地方自治体が厳しい財政状況の中での単独補助制度という支援に支えられているということは言うまでもありません。
しかし小規模作業所は、法定外事業であるために、月々の運営資金の調達に重大な困難を抱えているほか、作業スペースが極端に狭いなど施設・設備面の貧弱さに加え、一ヶ所あたり平均二・四人という少ない職員数など多くの困難を抱えています。
こうした小規模作業所の問題を真に解決していくためには、これら現行の障害者施設を質量ともに抜本的に改善していく必要がありますが、これを調達するためには一定の期間を必要とするため、さしあたって小規模作業所に対する以下のような援護策が求められます。
現在、国レベルでは、一ヶ所当たり一〇〇万円という依然として低額補助制度にとどまっていること、さらにこの補助制度が特定団体を窓口とした交付方式であるため、補助対象作業所の枠が狭まり、行政における平等の原則に反しているなど重大な問題点をもっています。一方、都道府県・政令指定都市・市町村の補助制度は地方自治体によって大きな格差が生じており、同規模の作業所をみても約二,〇〇〇万円以上の格差がある状態です。こうした問題を真に解決するひとつの道が小規模作業所に対する国の現在の補助制度を特定団体の窓口にする交付方式から、地方自治体を窓口とし、すべての作業所が平等に受けられるように交付方式を改善することです。また、国と地方自治体の補助金制度を一本化し、現行の補助金制度を引き上げ効果的な補助金制度にすることにあります。この点については多くの自治体からも共通の要望としてあがってきています。
つきましては、貴議会におかれましては実態をご調査いただきますとともに小規模作業所対策について改善を求める意見書を決議の上、政府関係機関に送付していただきますよう請願いたします。