請願第7号
(平成30年)
市民が提出した請願を委員会で議論もせずに継続審議にするのではなく、「委員会の審査独立の原則」に基づき、各委員が意見を出し合う実質的審議を求める請願
主 旨
一 「委員会の審査独立の原則」に基づき、付託された案件の審査については、各委員が会派から何らの干渉や制約も受けずに全く独自の立場に立って独立した見解で審査を行うこと、委員長にはこの原則に基づき委員会を運営する役割と任務があることを確認すること。
二 議員平等の原則を、熊本市議会全体で確認すること。
議会の構成員である議員は、法令上、完全に平等であり、対等である。議員の性別、年齢、信条、社会的地位、議員としての経験や年数、その他の条件は、議会内においては全て関係なく、発言権、表決権、選挙権など、議員に認められている権限は全て平等なものとして取り扱われなければならない。
常任委員会においては、各委員は所属会派においても全く関係なく、議員として認められている発言権、表決権はすべて平等なものとして保障されなければならない。
各委員が、委員(議員)として会派から何らの干渉や制約も受けずに発言する権利があること、委員長にはこの原則に基づき、委員会において、各委員が議員として認められている権限を平等に保障する役割と任務があることを確認すること。
三 熊本市議会において「一議事一議題の原則」を確認し、市民の請願権を保障するためにも、各委員会において、各請願について審査および調査を行うこと。
四 委員会において、委員長が論点を明確にし、事実と根拠に基づいて、委員(議員)間で自由闊達で十分な議論を交わせるよう委員会運営を行うこと。
五 地方自治法の改正によって法制化された議会運営委員会が、「委員会条例の制定」「議
会基本条例の制定」「議会規則の見直し」など議会改革の提案を行っていくことを確認すること。
理 由
一 当会がこれまで(二十九年十二月議会、三十年三月議会、六月議会)に提出した各請願(計六)については、すべて議会運営委員会に付託されたが、各委員が請願項目と内容について、能動的に意見を出し合う実質的審査は行われず、各会派の代表が会派の状況を述べるにとどまり、すべてが「審議もされない継続審議」になっている。
二 地方自治法に基づき、議会運営委員会が「議会閉会中の継続審査」を本会議で要求し、議会として「閉会中の継続審査」を決定した件について、委員会が履行する義務を負うことは、本会議で確認された。
三 熊本市議会会議規則第百三条に基づき、議会運営委員会が「閉会中も引き続き特定の事件の審査または調査を行う必要があると認め」、議長に要求した議会閉会中の継続審査でも、実質的な審議・調査は行われていない。
四 委員会が審査・調査を始めた時には、「委員会の審査独立の原則」がはたらく。
常任委員会は本会議の下審査機関であり、予備的審査機関であって、本会議とは密接な関係にある。しかし、付託された案件の審査については全く独自の立場に立って独立した見解で審査を行い、本会議から何らの干渉や制約も受けない。同様に、常任委員会は、各会派から全く独自の立場に立って独立した見解で審査を行い、各会派から何らの干渉や制約も受けない。委員長にはこの原則に基づき委員会を運営する役割と任務がある。
五 議員平等の原則
議会の構成員である議員は、法令上、完全に平等であり、対等である。議員の性別、年齢、信条、社会的地位、議員としての経験や年数、その他の条件は、議会内においては全て関係なく、発言権、表決権、選挙権など、議員に認められている権限は全て平等なものとして取り扱われる。常任委員会においては、各委員は所属会派においても全く関係なく、議員として認められている発言権、表決権はすべて平等なものとして保障されなければならない。つまり各委員は、委員(議員)として会派から何らの干渉や制約も受けずに発言する権利がある。委員長にはこの原則に基づき、委員会において、各委員が議員として認められている権限を平等に保障する役割と任務がある。
六 会議はすべて一件ずつ議題を限って審議する「一議事一議題の原則」がある。ところが当会が三回に分けて議会に提出した別々の内容の請願が、三月および六月議会の議会運営委員会では、一括して扱われた。そのため「請願の結果(「採択」「不採択」「閉会中審査」等)だけでなく、委員会・議会における各委員の発言等など審議内容や経過が分かる資料を添付し、請願者に送付すること」「請願の一部採択を取り入れること」「会議録速報版の作成」「YouTubeによる録画中継の検討」については、議題として取り上げられることもなく、継続審議となり、閉会中も審議は行われていない。
委員長は一括した方が能率的で合理的な場合に限って、この原則の例外として一括議題の取り扱いができるのだが、熊本市の常任委員会における請願の一括審議のあり方は合理的どころか、市民の請願権を侵害している。熊本市議会において「一議事一議題の原則」を確認し、各委員会において、各請願について審査および調査を行うことを求める。
七 委員会において、委員長が論点を明確にし、事実と根拠に基づいて、委員(議員)間において自由闊達で十分な議論を行うことを求める。
委員会においては、自由討議により論点・争点を発見・整理・公開を行い、議論を尽くして合意形成に努めることが、合議制という議会の特性が生かされることとなる。この過程を通すことで、市民生活への十分な配慮した熊本市の団体意思が統一的に形成・決定されることとなる。
八 地方自治法の改正によって議会運営委員会は法制化され、地方分権の時代において議会改革の役割を担うことが求められている。
平成三年の地方自治法の改正に伴い、議会運営委員会が法制化され、地方自治法第百九条第三項でその専決事項の一つとして「会議規則及び委員会条例に関する事項」が定められている。当会が提出してきた陳情および請願項目は、議会運営委員会の専決事項に関わるものである。
改正地方自治法の趣旨に基づき、議会運営委員会が議会改革の役割を担えるよう、運営および審議が改善されることを求める。
以上、請願いたします。