意見書第28号 国民生活に安心を取り戻すための万全の雇用対策を求める意見書について
議決日:平成13年12月19日
議決結果:否決
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│ 発議第28号 │
│ 国民生活に安心を取り戻すための万全の雇用対策を求める意見書について │
│ 地方自治法第99条及び第112条の規定により意見書を次のとおり提出す │
│ る。 │
│ 平成13年12月19日提出 │
│ 熊本市議会議員 佐々木 俊 和 │
│ 同 中 松 健 児 │
│ 同 磯 道 文 徳 │
│ 同 鈴 木 弘 │
│ 同 益 田 牧 子 │
│ 熊本市議会議長 白 石 正 殿 │
│ 意 見 書 (案) │
│ 国民生活に「安心」と「安全」を取り戻すため、種々の雇用対策を講じられる│
│ よう強く要望いたします。 │
│ (理 由) │
│ 今年7月、完全失業率が統計史上初めて5%に達し、10月には5.4%とな│
│ るなど、雇用・失業情勢は急速に悪化の度を強めております。 │
│ その深刻さは、完全失業率が高いというだけにとどまらず、これに加えて、就│
│ 職の意欲はあるのに、自分に適した仕事がないために求職活動をあきらめている│
│ 事実上の失業者は、総務省統計局の「労働力調査特別調査」から見ても420万│
│ 人もいると考えられます。こうした潜在的な失業者を加えると、日本の実質的な│
│ 失業率は10%にも達するという認識を共有する必要があります。 │
│ 失業対策にいま求められていることは、このような潜在的な失業者も視野に入│
│ れて対処していく必要があり、積極的な雇用創出策の展開による「先の見える安│
│ 心社会」をつくるためにこそ、政策と財政は総動員されなくてはならないと考え│
│ ます。 │
│ よって、政府におかれては、次の事項につき適切な取り組み等を図られるよう│
│ 強く要望いたします。 │
│ 1 ワークシェアリングや労働時間の短縮が、雇用創出に大きな成果を上げるこ│
│ とはEU諸国の成功例からも明らかである。中高年者の生計費を軽減する社会│
│ 保障制度の拡充を図ることを前提に、「同一価値労働・同一賃金」を含むすべ│
│ ての権利および労働条件の均等待遇原則に基づくワークシェアリングの推進こ│
│ そが、迂遠なようでも21世紀の我が国の「真の経済基盤強化」につながる。│
│ このため、ワークシェアリングに取り組む企業には、助成措置や雇用保険三事│
│ 業会計にかかわる負担の軽減などの公的支援を行うこと。 │
│ 2 深刻化する雇用収縮に対応するためには、公的関与による雇用機会の創出が│
│ 積極的に図られる必要がある。新たに生ずる財政需要については、国の責任に│
│ よる財政手当を講ずることを前提に、福祉や教育、環境にとどまらず、消防職│
│ 員や消費生活相談員など国民生活に「安心」と「安全」をもたらす分野につい│
│ ては、正規雇用を基本とすること。 │
│ 3 実際にハローワークに申し込まれている求職と求人のマッチングを図るため│
│ の、求人開拓部門の抜本的強化を含めた機能拡充および体制整備を進めるこ │
│ と。同時に、相談者のプライバシーを守り、落ち着いた職業相談を実現する観│
│ 点から、民営職業紹介所に課している基準、例えば、「求人者、求職者の個人│
│ 的秘密を保持しうる構造であること」と同等の相談スペースを確保するなど環│
│ 境整備に積極的に取り組むこと。 │
│ 4 失業給付にかかわる訓練延長給付の積極的適用は、失業者が「自らを安売 │
│ り」しなくても再就職を果たすために欠かせない能力開発やスキルアップとの│
│ 両立を図るものである。この意義の最大限の発揮を追求する観点から、該当者│
│ すべてが適用対象となるための財政措置、および2年間の延長を「制度的に担│
│ 保できる」訓練コースの整備に万全を期すこと。 │
│ │
│ 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。 │
│ 平成 年 月 日 │
│ 議 長 名 │
│ 内閣総理大臣┐ │
│ ├─宛(各通) │
│ 厚生労働大臣┘ │
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