意見書第27号 女性の年金制度の改善促進を求める意見書について
議決日:平成13年12月19日
議決結果:可決
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│ 発議第27号 │
│ 女性の年金制度の改善促進を求める意見書について │
│ 地方自治法第99条及び第112条の規定により意見書を次のとおり提出す │
│ る。 │
│ 平成13年12月19日提出 │
│ 熊本市議会議員 古 川 泰 三 │
│ 同 下 川 寛 │
│ 同 島 永 慶 孝 │
│ 同 大 石 文 夫 │
│ 同 主 海 偉佐雄 │
│ 同 荒 木 哲 美 │
│ 同 坂 田 誠 二 │
│ 同 田 中 誠 一 │
│ 同 佐々木 俊 和 │
│ 同 中 松 健 児 │
│ 同 磯 道 文 徳 │
│ 同 鈴 木 弘 │
│ 熊本市議会議長 白 石 正 殿 │
│ 意 見 書 (案) │
│ ライフスタイルが多様化した時代にふさわしい年金制度を確立し、女性の自立│
│ した生活と人権が確立されるよう強く要望いたします。 │
│ (理 用) │
│ 少子高齢社会の到来は、年金・医療・福祉等のすべての社会保障制度について│
│ の全面的な改革を迫っています。社会保障の支え手である現役労働者が減少して│
│ いく一方で、制度の受益者である高齢者が急速に増大していく少子高齢社会にお│
│ いては、社会保障制度の安定化を図るため、社会保障制度の抜本的な改革は避け│
│ て通れません。 │
│ そうした観点から、昨年の3月に年金制度の改正が行われましたが、いまだや│
│ り残した課題も少なくありません。その代表例が「女性に関わる年金制度」の改│
│ 革であります。 │
│ 近年、雇用・就業及び教育等における女性の社会進出には目覚ましいものがあ│
│ ります。一方で、晩婚化、単身者、共働き世帯、さらには離婚等の増加など、特│
│ に女性のライフスタイルが多様化するなど大きく変わりつつあります。しかしな│
│ がら、現行の年金制度は、「片稼ぎ世帯(専業主婦世帯)」をモデルとしたもの│
│ であり、ライフスタイルの多様化が著しい今後の少子高齢社会に対応することが│
│ 困難となっています。 │
│ 例えば、本人自身が保険料を納付することなく、厚生年金全体で負担し、共稼│
│ ぎ夫婦等の間に不公平が指摘されている第3号被保険者(専業主婦等)問題、ま│
│ た専業主婦が離婚し単身世帯になると、夫の報酬比例年金は受けることができず│
│ 基礎年金のみとなってしまうという問題、あるいは遺族年金においては、専業主│
│ 婦に比べ働く女性に不利な仕組みになっていることや、妻の納めた保険料を掛け│
│ 捨てにせざるを得ない場合もあるなど、様々な問題点が指摘されています。 │
│ また、基本的な問題点として、女性の年金給付水準が低く、長い老後を送るに│
│ は十分でなく、その総体的な底上げが要求されていること。さらには、女性が避│
│ けて通れない育児・介護期間中の就業と収入の中断に対して、我が国の年金制度│
│ が対応していないことなども女性の年金水準の低下をもたらしています。 │
│ よって、政府におかれては、「女性と年金検討会」を設置し、こうした女性と│
│ 年金問題について全般的な検討を行っているところでありますが、広範な国民の│
│ 意見を聴きつつ、こうした諸問題の解消をめざすとともに、ライフスタイルが多│
│ 様化した時代にふさわしい年金制度を確立し、女性の自立した生活と人権が確立│
│ されるよう強く要望いたします。 │
│ │
│ 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。 │
│ 平成 年 月 日 │
│ 議 長 名 │
│ 内閣総理大臣┐ │
│ ├─宛(各通) │
│ 厚生労働大臣┘ │
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