意見書第12号 陸上自衛隊健軍駐屯地への長射程ミサイル配備に関する意見書について
議決日:令和07年9月25日
議決結果:否決
発議第12号
陸上自衛隊健軍駐屯地への長射程ミサイル配備に関する意見書について
熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
令和7年9月25日提出
熊本市議会議員 西岡誠也
同 村上 博
同 上田芳裕
同 田上辰也
同 山内勝志
同 島津哲也
熊本市議会議長 大石浩文 様
意 見 書 (案)
健軍駐屯地に配備予定の長射程ミサイルに関し、地域住民の生命と安全の保持、不安の解消のため、所要の施策を講じられるよう要望いたします。
(理 由)
防衛省においては、陸上自衛隊健軍駐屯地への長射程ミサイル「12式地対艦誘導弾能力向上型」(地上発射型)の配備が決定されました。このミサイルは、朝鮮半島全域や中国大陸の一部までを射程内とするため、射程内にある国にとっては大きな脅威となります。その結果、新たな長射程ミサイルの配備先が攻撃の対象になる可能性は否定できません。
健軍駐屯地は住宅街に隣接し、周辺には小中高の学校が複数あり、病院や大型商業施設が密集する市街地です。このような市街地エリアに対して戦略的ミサイル等を配備することは、有事において住民の日常の生活環境が攻撃目標となる危険性を高め、地域住民の生命・財産を過度に危険にさらすものです。国際紛争の現実においても互いの国の軍事施設を攻撃し、周辺住民の多くが巻き添えとなりました。
2022年に、政府が安全保障関連3文書を改定したことにより、我が国は反撃能力を保有することに至りました。たとえ、敵基地攻撃能力を持つミサイルの配備等が、国の安全保障政策の一環であったとしても、配備地が人口の集積した市街地であること、また、地元自治体や住民への十分な説明がないまま進められていることについて、地域住民の間に深刻な不安と懸念、不信感が広がっています。
よって、政府におかれては、下記の事項について実施されるよう強く要望いたします。
記
1 国は、配備の目的・内容・安全性・法的根拠等について、熊本市、熊本県及び住民等への丁寧かつ透明性のある説明を速やかに行うこと。
2 住民の生命・財産の保持等に関わる重大な政策決定に当たっては、住民の声を十分に聴取し、地域理解に最大限努力すること。
3 健軍駐屯地は人口密集地内にあり、周辺には住宅地、学校、医療施設等が集積しているため、ミサイル配備に伴うリスクを再検証し、配備には慎重な判断を行うこと。
4 駐屯地周辺住民に対する緊急避難場所の整備や緊急避難計画の策定を直ちに行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
令和 年 月 日
議 長 名
内閣総理大臣
防衛大臣