意見書第14号 放送法の政治的公平の確保を求める意見書について
議決日:令和05年7月6日
議決結果:否決
熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
令和5年7月6日提出
熊本市議会議員 西岡誠也
同 村上 博
同 上田芳裕
同 田上辰也
同 山内勝志
同 吉村健治
同 島津哲也
熊本市議会議長 田中敦焉@様
意 見 書 (案)
放送法の政治的公平を確保するため、放送法第4条について、「一つの番組だけで判断しない」との解釈を改めて明快にすることを要望いたします。
(理 由)
放送法第4条第1項に定める「政治的に公平であること」については、「一つの番組ではなく、放送事業者の番組全体を見て判断する」と解釈されてきましたが、2015年、当時の高市早苗総務相は「一つの番組だけで判断することもある」として、総務省も統一見解としました。
この放送法の政治的公平の解釈の変更をめぐっては、当時の礒崎陽輔元総理補佐官と総務省との間のやり取りに関する一連の内部文書が国会で示されました。その後、総務省が行政文書として作成したことを認め、官邸の圧力によってゆがめられた経緯が明らかになりました。
かつてラジオ放送が戦争推進の一翼を担った反省から、政府による干渉や圧力を防ぐべく、放送法は不偏不党、真実及び自律の保障、表現の自由の確保を掲げています。自律を保障し、表現の自由を確保することこそ政府の義務であり、放送法が成立した1950年の国会で、政府は「放送番組に対する検閲、監督等は一切行わない」と述べています。番組の在り方に政府が口を挟むことは、憲法が保障する「表現の自由」や国民の「知る権利」を脅かす言論・報道への介入であり、意に沿わないテレビ番組に圧力をかける権力の横暴は許されません。
よって、政府におかれては、放送番組の政治的公平を定めた放送法第4条について、「一つの番組だけで判断しない」との解釈を改めて明快にすることを強く要望いたします。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
令和 年 月 日
議長名
内閣総理大臣
総務大臣