意見書第21号 次期WTO交渉における貿易ルール等の確立を求める意見書について
議決日:平成13年9月19日
議決結果:可決
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│ 発議第21号 │
│ 次期WTO交渉における貿易ルール等の確立を求める意見書について │
│ 地方自治法第99条及び第112条の規定により意見書を次のとおり提出す│
│ る。 │
│ 平成13年9月19日提出 │
│ 熊本市議会議員 古 川 泰 三 │
│ 同 下 川 寛 │
│ 同 島 永 慶 孝 │
│ 同 大 石 文 夫 │
│ 同 主 海 偉佐雄 │
│ 同 荒 木 哲 美 │
│ 同 坂 田 誠 二 │
│ 同 田 中 誠 一 │
│ 同 佐々木 俊 和 │
│ 同 中 松 健 児 │
│ 同 磯 道 文 徳 │
│ 同 鈴 木 弘 │
│ 熊本市議会議長 白 石 正 殿 │
│ 意 見 書 (案) │
│ 人類の生存に不可欠な食料の安定供給を確保するため、多様な農業が共存でき│
│ る貿易ルール等の確立に向け努力されるよう強く要望いたします。 │
│ (理 由) │
│ 世界の貿易ルールを決めるWTO(世界貿易機関)の次期交渉は、11月9│
│ 日〜13日に開かれる閣僚会議で、交渉の枠組みが決められようとしておりま│
│ す。既に農業分野については、各国からの提案が出され、論議が進められており│
│ ます。 │
│ この中で、日本は農業の持つ多面的機能の維持、食料安全保障などを基本的重│
│ 要事項に掲げておりますが、これに対して農産物輸出国は、より一層の市場開放│
│ と国内助成政策の削減を要求しております。 │
│ こうした中で開かれる閣僚会議において、「農業分野を含めた一層の自由貿易│
│ の推進」の方向が示された場合、国内政策の目標としている食料自給率の向上や│
│ 国内農業の維持が困難になり、食料の安定供給や環境の保全にも大きな影響を与│
│ えるものとなります。 │
│ よって、政府におかれては、人類の生存に不可欠な食料の安定供給を確保する│
│ ため、さまざまな国や地域で多様な農業が共存できる貿易ルール等を確立するよ│
│ う、次の4点を重要課題として交渉に臨まれるよう強く要望いたします。 │
│ 記 │
│ 1 農林水産業は、食料や木材などの生産・供給だけでなく、地球規模での自然│
│ 環境の保全、良好な景観の形成、地域社会の維持や雇用の場の確保など、人間│
│ 生活に欠くことのできない多様な役割を果たしており、この多面的機能を維持│
│ するとともに、各国の農林水産業が共存できるようWTOの貿易ルールを改め│
│ ること。 │
│ 2 今後の世界的な人口増加に対する食料の確保が人類の課題であり、世界最大│
│ の農産物輸入国の日本が食料生産の増大に努めることが国際的な責務となって│
│ いる。そのため、世界的な食料の安全保障の確保のためにも、国内の食料自給│
│ 率の向上等が図られるようにすること。 │
│ 3 食品添加物や残留農薬等に加えて、遺伝子組み換え食品、環境ホルモンな│
│ ど、食をめぐる新しい問題が続出する中、「食の安全」対策の強化が求められ│
│ ており、また、食品の輸入増加に伴い、食の安全に関する国際的な基準に合わ│
│ せて、国内基準の緩和が進められる中で、食の安全確保対策が重要である。特│
│ に遺伝子組み換え食品(GMO)の流通・表示のルールを国際的にも明確にさ│
│ せること。 │
│ 4 これらの課題を実現するため、輸出入国とも、自国の生産資源を最大限に活│
│ 用して食料を確保できるよう、適切な関税水準の設定などの国境措置や、国内│
│ 助成については、各国の食料・農業をめぐる事情を配慮し、一律的な削減を行│
│ わないようにすること。 │
│ │
│ 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。 │
│ 平成 年 月 日 │
│ 議 長 名 │
│ 内閣総理大臣 ┐ │
│ │ │
│ 外務大臣 ├─宛(各通) │
│ │ │
│ 農林水産大臣 ┘ │
│ │
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