意見書第9号 再審制度の議論促進を求める意見書について
議決日:令和05年7月6日
議決結果:可決
熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
令和5年7月6日提出
熊本市議会議員 寺本義勝
同 山本浩之
同 坂田誠二
同 大石浩文
同 齊藤 博
同 古川智子
同 満永寿博
同 澤田昌作
同 平江 透
同 西岡誠也
同 上田芳裕
同 井本正広
同 浜田大介
熊本市議会議長 田中敦焉@様
意 見 書 (案)
冤罪被害者を救済するため、関係各界とも協力の上、再審制度のよりふさわしい在り方について議論を深めていただきますよう要望いたします。
(理 由)
再審制度は、刑事訴訟法第435条に定めるとおり、「有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のため」に存在し、特に近年国民の関心の高い冤罪を防ぐ観点からも,重要な制度です。
こうした観点から、平成28年に成立した刑事訴訟法等の一部を改正する法律附則第9条第3項においては、再審制度の在り方について検討することが求められており、それを受けて、平成29年3月には、最高裁判所、法務省、日本弁護士連合会、警察庁の担当者で構成する「刑事手続に関する協議会」が設けられ、さらに令和4年7月には、刑事法研究者、法曹三者、警察庁及び法務省の担当者で構成する「改正刑訴法に関する刑事手続の在り方協議会」が設けられ、協議・意見交換が行われております。
有罪の判決を受けた者の利益の保障と、実体的真実の発見及び適正手続の保障という司法における重要理念の双方が法令等により担保され、もって適正な審判と法執行を希求するという視点は重要です。
しかしながら,再審請求審における証拠開示について一般的なルールを設けること自体が困難であることや、通常審と再審請求審とのそもそもの手続構造の相違など、多くの課題、問題点が指摘されております。
一方で、現実に無実の国民が冤罪によって人生を狂わされていることも事実として受け止めなければならず、冤罪被害者を一刻も早く救済するためにも早急な対応が求められております。
よって、政府におかれては,関係各界とも協力し、再審制度のよりふさわしい在り方について議論を深められるよう強く要望いたします。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
令和 年 月 日
議長名
内閣総理大臣
法務大臣