意見書第19号 高校入試選抜制度の学区拡大に反対する意見書について
議決日:平成15年9月26日
議決結果:可決
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│ 発議第19号 │
│ 高校入試選抜制度の学区拡大に反対する意見書について │
│ 地方自治法第99条及び第112条の規定により意見書を次のとおり提出す│
│ る。 │
│ 平成15年9月26日提出 │
│ 熊本市議会議員 家 入 安 弘 │
│ 同 佐々木 俊 和 │
│ 同 村 上 博 │
│ 同 磯 道 文 徳 │
│ 同 鈴 木 弘 │
│ 同 益 田 牧 子 │
│ 熊本市議会議長 落 水 清 弘 殿 │
│ │
│ │
│ 意 見 書 (案) │
│ 高校入試選抜制度の学区拡大を実施されないよう強く要望いたします。 │
│ (理 由) │
│ 本年3月31日に熊本県立高校入試制度検討委員会から県教育長に、「熊本県│
│ 立高等学校入学選抜の改善について」という報告書が提出されました。 │
│ この報告書によりますと、受検機会を拡大するとして前期選抜(特色化入 │
│ 試)、後期選抜、二次募集とするとしており、前期選抜では募集定員を1割から│
│ 3割まで(専門高校では1割から5割まで)とし、学区を撤廃しどこの高校も自│
│ 由に受検できることとしております。 │
│ しかしこの制度の導入により、熊本市に集中する有名進学校を目指して全県下│
│ の中学生が押し寄せてくることが予想され、そのことによって熊本学区から押し│
│ 出される生徒は私立の高校か郡部の高校へ行かざるを得なくなります。この「不│
│ 本意入学」による退学は退学者全体の60%以上に及んでおり、しかも県下の退│
│ 学率は全国的にも上位にあります。このような高校入試制度の「改善」が進めら│
│ れるならますます退学者が増加することが予想されます。 │
│ また、熊本市に受検者が集中する反面、地方の高校は少子化も伴って募集定員│
│ を割る学校が増加し、さらに高校の統廃合、募集停止、学校の消滅となり地域の│
│ 衰退へと進むことが予想されます。 │
│ このように高校入試のあり方は地域の活性化とも直接かかわる問題であり、地│
│ 方自治をつかさどる議会として看過することはできません。 │
│ 地域の子が地域で楽しく学べ、しかも地域で暮らしができるよう、そして地域│
│ の文化が子から子へと継承発展されていくことが少子化の中で地方に求められて│
│ います。 │
│ 県教育委員会においては、県の総合計画「パートナーシップ21」に示されて│
│ いる地域活性化のシナリオが作文に終わることがないよう、入試制度の改善につ│
│ いても整合性のとれたものにしなければなりません。 │
│ よって、県におかれては、学校間格差を解消し、子供たちの自己表現ができる│
│ ような教育条件の整備を行い、子供たちが地域で楽しく生き生きと暮らせ、地域│
│ が活性化していくため、下記のとおり報告書を改善されるよう強く要望いたしま│
│ す。 │
│ 記 │
│ 1 学区拡大は行わないこと。 │
│ 2 急激な制度改革とせず、時間をかけ市民、県民と話し合いを行うこと。 │
│ │
│ 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。 │
│ 平成 年 月 日 │
│ 議 長 名 │
│ 熊本県知事 宛 │
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