意見書第22号 子育て家庭等の経済的負担の軽減措置や子供の貧困対策を求める意見書について
議決日:令和04年12月20日
議決結果:可決
子育て家庭等の経済的負担の軽減措置や子供の貧困対策を求める意見書について
熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
令和4年12月20日提出
熊本市議会議員 大嶌澄雄
同 井本正広
同 津田征士郎
同 田中誠一
同 澤田昌作
同 本一臣
同 坂田誠二
同 三島良之
同 大石浩文
同 小佐井賀瑞宜
同 藤永 弘
同 西岡誠也
同 福永洋一
熊本市議会議長 原亨 様
意 見 書 (案)
深刻化する少子化や子供の貧困対策のため、子育て世帯の経済的負担の軽減に向けた所要の施策を早期に講じられるよう要望いたします。
(理 由)
政府の推計によれば、2050年には日本の人口は1億人を割り込み、2060年には国民の約2.5人に1人が65歳以上の高齢者になるとされています。今現在、改善の見込みのないまま、少子化や子供の貧困が深刻化していく中で、その解決のため、若い世代が経済的な心配をせずに子供を産み育てられる環境づくりが早急に求められています。
現在、子育て支援の一つである子供医療費助成制度は、各地方自治体がそれぞれ制度設計していることで、住んでいる地域で助成内容に差異が生じている状況です。安心して子供を産み・育てる環境を整え、長期的に安定した制度設計となるよう、国と地方自治体が協議の場を持ち、医療保険制度における子供医療費助成制度のあるべき姿について共に議論した上で、国において、統一的な医療費助成制度を創設すべきです。また、平成30年度から、未就学児を対象とする医療費助成に係る国民健康保険国庫負担金等の減額調整措置は廃止されましたが、地方自治体の少子化対策の取組を支援する観点から、減額調整措置を全て廃止すべきです。
また、独り親家庭の相対的貧困率は子供のいる現役世帯全体の相対的貧困率の約4倍であり、母子世帯の平均所得は児童のいる世帯全体の4割程度である状況を踏まえ、児童扶養手当引上げなどの経済的支援や、独り親家庭の親や子の就労支援など、自立に向けた各種支援策の拡充・強化を図るべきです。
そして、独り親家庭や生活保護世帯の子供の大学や高校への進学率が全世帯と比べ低い割合となっている状況を踏まえ、子供たちが生まれ育った家庭の経済状況に左右されることなく、また、地域において子供が健やかに育まれるよう、学習支援や居場所づくりをはじめとする子供の貧困対策の拡充・強化を図るべきです。
よって、政府におかれては、子ども・子育て支援及び子供の貧困防止の観点から、下記の事項について早急に取り組まれるよう強く要望いたします。
記
1 子供医療費助成に対する統一的な国の医療費助成制度を創設するとともに、子供医療費助成に係る国民健康保険国庫負担金等の減額調整措置を段階的に見直すこと。
2 独り親家庭に対する支援策の拡充・強化を図ること。
3 子供の貧困対策に係る施策の拡充・強化と財政措置の充実を図ること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
令和 年 月 日
議長名
内閣総理大臣
財務大臣
厚生労働大臣