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件名

意見書第17号 学校給食費の無償化を求める意見書について

本会議議決結果

議決日:令和04年6月29日
議決結果:否決

内容

熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
 
  令和4年6月29日提出
       
熊本市議会議員  西岡誠也
同        福永洋一
同        上野美恵子
同        那須 円

熊本市議会議長 原亨 様

意  見  書 (案)

子供たちの健康と心身の発達を保障し、食に関する学びを支えるため、国の責任において学校給食費の無償化を実施されるよう要望いたします。

(理 由)
長期に及ぶコロナ危機は、暮らしはもちろん、子供たちの学び・教育にも深刻な打撃となりました。貧困によって、家に食べるものがなく、給食が唯一の栄養源という子供たちもいます。また、忙しい生活の中で加工食品や外食の利用が増えるという食生活の変化が進む中、成長期の子供たちの健康と人間的発達を保障する学校給食の役割はますます重要になっています。
保護者が負担する学校給食費は公立小中学校で月額5,000円ほどであり、副教材費などの義務教育に掛かる様々な費用の中で最も重い負担となっています。
学校給食法は食を通じた子供の心身の健全な発達を目的とし、食育の推進をうたっており、学校給食は教育の一環として実施されています。学校生活に欠かせない給食は、栄養補給だけでなく、一緒に食べることでコミュニケーションが豊かになり、心身の成長に大切な役割を果たしています。また、給食の食材やそれに関わる人、調理方法など、地域の伝統や日本の食文化を伝えることも食育として大切であり、子供たちは食べることを通して多くのことを学んでいます。
文部科学省の調査によると、2017年度には1,740自治体中82自治体で学校給食費の無償化、424自治体で一部補助を実施しており、自治体レベルでは、公立小中学校の給食費の保護者負担を自治体が全額補助する制度や、一部を助成する制度が、子育て支援を目的に全国で広がっています。
憲法第26条は「義務教育は、これを無償とする」と定めていますが、実際には給食費や制服、副教材など様々な負担があり、現在無料なのは授業料と教科書だけです。憲法制定時には、政府も「(憲法の)義務教育の無償をできるだけ早く広範囲に実現したい。学用品、学校給食費、できれば交通費。」などの国会答弁を行っていました。この認識は、政府内で現在も継承されていることが確認されています。全ての子供の健やかな成長のため、義務教育の完全無償化こそ実施すべきです。
日本の教育への公的支出は先進国の中で最低水準です。教育予算を増やし、憲法に定められた義務教育無償の原則に立ち、小学校・中学校での給食費、制服、副教材費、修学旅行積立金など、あらゆる教育費の無償化を進めていくことが必要です。
よって、政府におかれては、国の責任で学校給食費の無償化を実施されるよう強く要望いたします。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
  
令和  年  月  日

議長名


内閣総理大臣
  文部科学大臣

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