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件名

意見書第16号 核兵器禁止条約を早期に署名・批准することを求める意見書について

本会議議決結果

議決日:令和04年6月29日
議決結果:否決

内容

熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
 
  令和4年6月29日提出
       
熊本市議会議員  西岡誠也
同        福永洋一
同        上野美恵子
同        那須 円

熊本市議会議長 原亨 様

意  見  書 (案)

唯一の戦争被爆国として、早期に核兵器禁止条約に署名・批准されるよう要望いたします。

(理 由)
2021年6月発表のストックホルム国際平和研究所の報告書によれば、世界には約1万3,000発もの核兵器が今なお存在しています。そのうちの1発でも使われれば、広島と長崎への原爆投下のように、破滅的で非人道的な結末をもたらします。広島と長崎に投下された原子爆弾は、今日からすれば旧式で小型のものでしたが、4か月余りのうちに21万人以上の命を奪い、生き延びた人々も放射線障害などによって長年苦しみました。被爆者の体験は、この兵器が他に類を見ない非人道的な大量破壊兵器であることをはっきりと示しており、核兵器はいかなる理由であれ、いかなる地においても再び使われてはなりません。
近年の研究では、現存する核兵器のうち100発が都市で爆発すれば、気候変動や農作物の不作などによって10年間で20億人が餓死すると言われており、核兵器の使用は人類の破滅につながる危険をはらんでいます。
ロシアは核兵器の先制使用を方針に掲げ、新型核兵器の開発も進めており、ロシアによるウクライナ侵略は、核戦争を現実に想定されるものにしています。国際間の問題は、いかなる場合であっても、国連憲章と国際法を遵守し、国際紛争は平和的解決が求められます。武力紛争とそれにつながる一切の行動を速やかに停止すること、とりわけ核兵器の使用・増強・開発・配備はやめることが必要です。
2021年1月22日に核兵器禁止条約が発効し、核兵器は史上初めて違法化されました。条約では、核兵器のいかなる使用も武力紛争に適用される国際法の規則、特に国際人道法の原則と規則に反している旨を明記し、開発、実験、生産、製造、取得、保有、貯蔵、移転、受領、配備、そして、使用と使用の威嚇など、核兵器に関わる活動を全面的に禁止しています。条約は既に61か国が批准、署名した国は86か国に達し、国連加盟国の過半数である97に迫ろうとしています。そして、核保有国が核兵器禁止条約に反対し、参加を拒否する下でも、既に大きな力を発揮しています。禁止条約の署名・締約国が更に増えていけば、核兵器の違法性は一層確かなものとなります。
ヒロシマ・ナガサキを二度と繰り返さないためにも、世界で唯一の戦争被爆国である日本の政府が核兵器禁止条約に署名・批准すべきです。
よって、政府におかれては、核も戦争もない平和な社会を実現するために、一刻も早く核兵器禁止条約に署名・批准されますよう強く要望いたします。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
  
令和  年  月  日

議長名

内閣総理大臣
  外務大臣

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