意見書第17号 自宅療養者・入院待機者を無くし、症状に応じた必要な医療を全ての新型コロナウイルス感染症患者に提供することを求める意見書について
議決日:令和03年9月27日
議決結果:否決
発議第17号
自宅療養者・入院待機者を無くし、症状に応じた必要な医療を全ての新型コロナウイルス感染症患者に提供することを求める意見書について
熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
令和3年9月27日提出
熊本市議会議員 西岡誠也
同 福永洋一
同 上野美恵子
同 那須 円
熊本市議会議長 原口亮志 様
意 見 書 (案)
命の危険と隣り合わせとなる自宅療養を無くし、症状に応じた必要な医療を全ての新型コロナウイルス感染症患者に提供するため、所要の施策を講じられるよう要望いたします。
(理 由)
新型コロナウイルス感染症は「第5波」を迎え、デルタ株が猛威を奮っています。日々公表される新規感染者数は、最多を更新する日が多く、先の見えない感染拡大が続いています。それに対応する新型コロナウイルス感染症病床も逼迫し、一般病床はもちろん、重症病床、宿泊療養施設もいっぱいの状態です。一方で、増え続けているのは、入院が必要と判断されながら待機を余儀なくされている入院調整者と、入院の必要なしとトリアージされた自宅療養者です。東京都では、全療養者に占める入院患者の割合は10%、宿泊療養患者の割合は5%にすぎず、圧倒的多数の患者が「自宅療養」を余儀なくされ、手後れで亡くなったり、重症化したりする方が後を絶ちません。熊本市でも、入院や宿泊療養ができるのは、感染者の3人に1人です。こうした事態は、政治が招いた重大な人災そのもので、在宅療養は命の危険と隣り合わせであることが明らかです。
ところが政府は、8月2日、重症患者と重症化リスクの高い患者以外は「原則自宅療養」という重大な方針転換を行いました。新型コロナウイルス感染症患者を事実上「自宅に放置」する無責任な対応方針であり、容認できません。その後、大きな批判に直面し、政府は「中等症は原則入院」との「説明」を行いましたが、「原則自宅療養」という方針は撤回されていません。
よって、政府におかれては、新型コロナウイルス感染症が急拡大する中、国民の命を最優先に考え、症状に応じた必要な医療を全ての患者に提供するため、下記の事項について実施されるよう強く要望いたします。
記
1 「原則自宅療養」の方針を公式に撤回し、症状に応じた必要な医療を全ての患者に提供することを大原則に据えること。
2 限られた医療資源を最も効率的に活用することを考慮し、政府が責任をもって、医療機能を強化した宿泊療養施設や、臨時の医療施設などを、大規模に増設・確保すること。併せて、入院病床をさらに確保し、在宅患者への往診や訪問看護など、在宅医療を支える体制を抜本的に強化すること。
3 政府が責任をもって医師・看護師を確保すること。全ての医療機関を対象に減収補塡と財政支援に踏み切り、安心して新型コロナウイルス感染症の診療に当たれるようにすること。新型コロナウイルス感染症治療の最前線で日夜献身している医療従事者をはじめ、宿泊療養施設や臨時の医療施設、訪問診療に携わる医療従事者も含めて、全ての医療従事者に対する待遇の抜本的改善を図ること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
令和 年 月 日
議長名
内閣総理大臣
厚生労働大臣