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件名

意見書第12号 介護事業所への財政支援を求める意見書について

本会議議決結果

議決日:令和02年6月24日
議決結果:否決

内容

熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
 
  令和2年6月24日提出
       
熊本市議会議員  西岡誠也
同        福永洋一
同        上野美恵子
同        那須 円

熊本市議会議長 紫垣正仁 様

意  見  書 (案)

新型コロナウイルス感染症の危機の中、全ての高齢者が安心できる介護保障のため、介護事業所に対し最大限の財政支援等を行うよう要望いたします。

(理 由)
新型コロナウイルス感染症の広がりで、介護の現場は大きな影響を受け、厳しい状況が続いています。職員は、感染の不安の中で業務に従事しなければならず、極度の不安と緊張を強いられる日々です。日常のケアは、利用者との「密」がどうしても避けられず、「集団感染の不安」を理由に自主休業に至るデイサービス事業所等も増加しています。マスクやガウン等の衛生・防護用品の不足が、現場の不安と緊張を一層加速させています。
各事業所では3月以降利用者が減り、事業所の収益減をもたらしており、事業所の継続が困難な状況です。今のままでは、事業の継続も、感染収束後の事業再開も難しく、更に長期化すれば、「介護崩壊」にもつながりかねない深刻な事態と言えます。
利用の手控え、事業の縮小・休業などで介護サービスが途絶えることで、病状・状態の悪化、鬱症状や認知症の悪化など利用者にも大きな影響が生じています。家族の介護負担が増大し、虐待につながらないか危惧する声もあります。デイサービスの代替サービスとされている訪問介護では、ヘルパーの体制が厳しく、新たな「介護弱者」「介護難民」が生じている実態があります。
報道されているように、高齢者施設での集団感染の発生は、地域の介護基盤を大きく揺るがすとともに、地域の医療体制を逼迫させ、医療崩壊にもつながりかねません。
また、営業自粛の要請等により、収入が大幅に減少している世帯が増えています。入所費用・利用料など家族から経済的な援助を受けている利用者も多く、サービスの利用を継続させる上で利用者負担の軽減が必要です。
さらには、介護現場の抱える困難を打開し、今後の「第2波」「長期化」に備えた対応を進めるためにも、感染のリスクを負いながら、厳しい職員体制の中で、利用者の生活を懸命に支えている介護事業所、介護従事者を後押しする財政支援の抜本的強化が必要です。
よって、政府におかれては、新型コロナウイルス感染症の危機の中、全ての高齢者が安心できる介護保障のため、介護現場に対し、最大限の支援を行うとともに、下記の事項について実現されるよう強く要望いたします。



1 介護事業所、介護従事者が適切な感染予防・防護策を講じられるよう、政府の責任で、マスク(サージカルマスク)、消毒用アルコール、使い捨てガウン・エプロン・手袋、ゴーグルなどの衛生・防護用品の安定的な確保、供給を図ること。
2 PCR検査の体制を抜本的に強化し、検査が必要と判断された利用者、介護従事者が迅速に検査を受けられるよう環境を整えること。
3 介護事業所に対する支援として、全ての介護事業所を対象に、新型コロナウイルス感染症に伴う利用者の減少・休業によって生じた減収分に対する補塡を行うこと。また、感染対策に伴う新たな支出分への補塡・助成を行うこと。
4 感染のリスクを負い、日々不安と緊張の中で介護に当たっている介護従事者に対して特別の手当等の給付、助成を行うこと。
5 必要な介護サービスを切らさずに提供できるよう、訪問介護員を始めとする介護従事者を確保するための緊急の手立てを講じること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
  
令和  年  月  日

議長名

内閣総理大臣
厚生労働大臣

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