意見書第7号 自衛隊の中東派遣に反対する意見書について
議決日:令和02年3月24日
議決結果:否決
熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
令和2年3月24日提出
熊本市議会議員 西岡誠也
同 村上 博
同 上田芳裕
同 田上辰也
同 福永洋一
同 山内勝志
同 吉村健治
同 島津哲也
熊本市議会議長 倉重 徹 様
熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
令和2年3月24日提出
熊本市議会議員 西岡誠也
同 村上 博
同 上田芳裕
同 田上辰也
同 福永洋一
同 山内勝志
同 吉村健治
同 島津哲也
熊本市議会議長 倉重 徹 様
意 見 書 (案)
緊張の高まっている中東地域への自衛隊派遣を中止されるよう要望いたします。
(理 由)
政府は昨年12月27日、自衛隊を中東海域に派遣する方針を閣議決定し、今年1月11日、海上自衛隊のP−3C哨戒機を派遣しました。さらに、2月2日には護衛艦たかなみを派遣しました。自衛隊の海外派遣という重要課題が、国会の審議もないまま、安易に閣議決定で行われるのは、国会軽視に他なりません。
中東地域の情勢は刻一刻と変化しています。日本関係船舶の航行の安全を確保することを派遣目的に挙げていますが、2019年6月のホルムズ海峡での事件以降、日本関係の船舶が狙われたケースはありません。一方で、米国は1月、バグダッドでイラン革命防衛隊の司令官を殺害し、イランも米軍基地へのミサイル攻撃を実施しました。中東派遣の必要性も緊急性もない中、自衛隊が米国とイランの軍事対立に巻き込まれる事態が容易に想定されます。
今回の自衛隊派遣は、防衛省設置法の調査・研究を根拠としています。調査・研究によって部隊運用に当たる海外派遣を行うことは、法の拡大解釈そのものであります。国権の最高機関である国会の審議もなしに自衛隊の海外派遣を行うことは、許されません。文民統制に反し、なし崩し的に自衛隊の海外派遣が拡大しかねない懸念が大きくなります。
米国の有志連合とは一線を画すと政府は主張していますが、日本が収集した情報は米国などと共有するとしており、イランを刺激する可能性が高くなります。そもそも中東での緊張を招いたのは、2018年5月にイラン核合意から一方的に離脱し制裁を再開したトランプ政権であります。米国とイランの橋渡し役というのなら、自衛隊の中東派遣でなく、イラン核合意への復帰を米国に求める外交努力こそすべきであります。
緊張の高まっている中東地域への自衛隊派遣は、明確な必要性も緊急性もなく、法的根拠にも問題の残るままであり、武力行使の範囲を広げ、自衛隊員の命を危険にさらすことにもなりかねません。
よって、政府におかれては、下記の事項について実現されるよう強く要望いたします。
記
1 自衛隊の中東派遣を中止し、P−3C哨戒機・護衛艦たかなみを撤収させること。
2 「中東地域における日本関係船舶の安全確保に関する政府の取組について」を撤回すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
令和 年 月 日
議長名
内閣総理大臣
外務大臣
防衛大臣