意見書第6号 IR推進法及びIR整備法の廃止を求める意見書について
議決日:令和02年3月24日
議決結果:否決
熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
令和2年3月24日提出
熊本市議会議員 西岡誠也
同 村上 博
同 上田芳裕
同 田上辰也
同 福永洋一
同 山内勝志
同 吉村健治
同 島津哲也
熊本市議会議長 倉重 徹 様
意 見 書 (案)
様々な社会的問題の発生が懸念されるカジノ解禁を内容とするIR推進法及びIR整備法を廃止されるよう要望いたします。
(理 由)
カジノを含むIR(特定複合観光施設区域)をめぐり、内閣府の副大臣を務めていた秋元司容疑者(衆院議員)が日本参入を目指していた中国企業から賄賂を受け取っていた疑いがあるとして逮捕されました。また、贈賄容疑で逮捕された中国企業関係者は、国会議員5人に現金を配ったと供述していることも判明しました。カジノ解禁が利権や不正の温床となり得ることが明らかとなりました。
一方、政府はIRを「成長戦略」の目玉として位置付けるとともに、現在一部の自治体において、誘致の検討が始まっています。
しかしながら、日本世論調査会が昨年12月に実施した世論調査では、反対(64.4%)が賛成(31.7%)を上回っており、カジノ解禁に対する国民の理解は得られていません。
そもそも法務省は、賭博が違法とされないためには「8点の考慮要素」(8要件)が必要との立場をとってきました。しかし政府は、「総合的に制度全体を観察、考察」すればよいとするばかりで、「違法性の阻却」について説明責任を果たしているとは到底言えません。「収益の使途を公益性のあるものに限る」、「運営主体は、官又はそれに準じる団体に限る」という要件に照らしても、「民設・民営」・「民間賭博」の解禁は、「違法性」を免れることはできません。
さらに、カジノ解禁によって、ギャンブル依存症や多重債務者が増加し、生活破綻や治安悪化も懸念されます。暴力団対策上の問題やマネー・ローンダリング対策上の問題等も看過できません。
よって、政府におかれては、IR推進法及びIR整備法を廃止されるよう強く要望いたします。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
令和 年 月 日
議長名
内閣総理大臣
国土交通大臣
内閣官房長官