意見書第23号 地域医療を守り公立病院等の維持・存続を求める意見書について
議決日:令和元年12月18日
議決結果:否決
熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
令和元年12月18日提出
熊本市議会議員 西岡誠也
同 福永洋一
同 井本正広
同 藤永 弘
熊本市議会議長 倉重 徹 様
意 見 書 (案)
地域医療を守るため、公立・公的病院の再編・統合の議論については地域実情を十分に理解し、安全安心の地域社会の基盤として維持・存続を図られるよう要望いたします。
(理 由)
厚生労働省は9月26日、全国の公立・公的病院のうち、424の病院を、「再編や統合の議論が必要」との発表を行いました。各自治体に2020年9月までの対応方針の決定を迫り、当該自治体からは「地域の実情を考慮していない」「リストを返上すべき」など、疑問と批判の声が相次いで出されています。
地域医療構想や医療費適正化計画の影響で、病床の削減や入院の短縮化による病院からの追い出し、病院のたらい回しなど患者難民が増え続けています。地域のニーズをしっかり把握し、必要な病床を確保するため、制度を見直さなければなりません。また、地域における医療施設の機能分化を明確にし、院内・病院間・地域の医療の連携を強化して、情報の共有を行うシステム作り、救急搬送システムや受け入れ医療機関の確保に責任を果たせるよう、国の援助を強化することも急務であります。
さらに、地域における医師や看護師など医療従事者の不足は深刻であります。医師不足の地域に医師を確保する取り組みや、看護師とコメディカルスタッフの増員や労働条件の改善も喫緊の課題となっています。
しかし、公的病院の会計制度が公営企業会計制度に変わり、赤字経営を余儀なくされ、統廃合や民営化の波が全国の自治体に迫っています。政府が、赤字や採算を理由に再編・統合を打ち出し、民営化を求める圧力がこの流れに拍車をかけています。公立病院のみならず、日赤病院や社会保険病院、厚生年金病院、労災病院などの公的病院の乱暴な統廃合や民営化、売却は、地域と命の切り捨てにつながるものであり、より慎重でなければなりません。
よって、政府におかれては、下記の事項について実現されるよう強く要望いたします。
記
1 公立・公的病院の再編・統合の議論は、地域実情を十分に理解し安全安心の地域社会の基盤であることを踏まえ、慎重に進めること。
2 地域医療を守るため公立・公的病院の維持・存続を図ること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
令和 年 月 日
議長名
内閣総理大臣
総務大臣
厚生労働大臣