意見書第18号 幼児教育・保育の無償化に向け必要な措置を求める意見書について
議決日:令和元年10月2日
議決結果:否決
熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
令和元年10月2日提出
熊本市議会議員 西岡誠也
同 福永洋一
同 上野美恵子
同 那須 円
熊本市議会議長 倉重 徹 様
意 見 書 (案)
誰もが安心できる幼児教育・保育の無償化の実施のため、所要の施策を講じられるよう要望いたします。
(理 由)
いよいよ10月から、3歳から5歳までの全ての子ども及び住民税非課税世帯の0歳から2歳までの子どもを対象とした幼稚園、保育所、認定こども園等の利用料を無償とする幼児教育・保育の無償化が実施されようとしています。この制度は、子育て世帯を応援し、社会保障を全世帯型へ抜本的に変えるものであり、生涯にわたる人格形成の基礎を培う幼児教育の重要性や、幼児教育の経済的負担軽減を図る少子化対策の視点などからも重要な施策であります。しかし一方では、無償化の実施による地方自治体の財政負担について、一定の配慮はあるものの財政負担が増大することが懸念されます。
また、予定されている幼児教育・保育の無償化については、上記に述べたように対象年齢が限定され、保育料負担の重い0〜2歳児については住民税非課税世帯のみとなっています。費用についても、実費徴収の部分が無償化の対象外となっていることで、保護者負担に矛盾が生じることや徴収に係る園の事務負担も発生してきます。
また、幼児教育・保育の無償化のほかにも地方自治体には待機児童解消や保育士の処遇改善など、財政負担を伴う差し迫った課題も多いことから、その取り組みが後退することも懸念されるところであります。
子どもの貧困が日本社会の大きな問題となり、少子化が更に加速している今、子育て世代が安心して子どもを産み育てられるような環境を整えていくことは、極めて重要な課題であります。
よって、政府におかれては、誰もが安心できる幼児教育・保育の無償化の実施のため、下記の施策を講じられるよう強く要望いたします。
記
1 幼児教育・保育の無償化に当たっては、地方自治体の負担増とならないよう、全額国費で対応するなど、十分な財源措置を講じること。
2 無償化の対象について、所得制限を設けず、小学校入学前の全ての子どもとすること。
3 給食食材費を実費徴収化ではなく、無償化の対象とすること。
4 無償化の対象とされている認可外保育施設については、認可施設と同等の保育を保障できるよう、認可化の促進など国として必要な措置を講じること。
5 保育の質的、量的拡充が停滞することのないよう、国として十分な予算を確保すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
令和 年 月 日
議長名
内閣総理大臣
文部科学大臣
厚 生 労 働 大 臣