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件名

意見書第16号 「主要農作物種子法」の復活を求める意見書について

本会議議決結果

議決日:令和元年10月2日
議決結果:否決

内容

熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
 
  令和元年10月2日提出
       
熊本市議会議員  西岡誠也
同        福永洋一
同        上野美恵子
同        那須 円

熊本市議会議長 倉重 徹 様

意  見  書 (案)

食料主権と食の安全を守るとともに、公共財としての多様な日本の種子を保全するため、主要農作物種子法を復活されるよう要望いたします。

(理 由)
1952年に制定され、米・麦・大豆の優良な種子の生産・普及を各都道府県に義務付けてきた「主要農作物種子法」は、食糧管理法とともに、戦後の食糧難の時代から日本の食を土台から支えてきた法律です。都道府県が開発した優秀な種を「奨励品種」と定め、生産者に提供することで、国民への安定的な食料供給はもちろん過度な民間参入や知見流出を防ぐ大きな役割を果たしてきました。
ところが、農業をめぐる状況の変化を理由に、国会での十分な審議も行われないまま廃止が決定し、2018年4月に廃止されました。民間企業の参入によってビジネスへと変貌した野菜や花きの種子生産現場に対し、米は公的機関によって国産100%が貫かれ、消費者に美味しく安全な米が安価に提供されてきました。しかし、主要農作物種子法の廃止によって、種子の供給が民間企業に委ねられたことにより、今後種子代の高騰を招くことや、公的財産である種子とその市場への外資系企業の参入により、遺伝子組み換え品種が生み出されるなど、国民が安全な種子を得られなくなるおそれもあります。このように、食の安心・安全が脅かされることが危惧され、消費者にとっても大きな影響があります。
気候や土質の違いなどの環境は、地域ごとに異なり、公立研究機関がそれぞれの地域に見合った品種を開発し安定供給を支えてきた主要農作物種子法の役割は、現在でも失われておらず、食の根幹である種子の生産や供給体制が揺らぐことがあってはなりません。
現在、従来の仕組みを守るために独自の種子条例を制定する動きが全国の自治体で広がっています。種子は農業にとっての基本的な資材です。公的機関が主要な種子の開発・普及などに責任を持ち、農業者に優良で安価な種子の供給を将来にわたって保障する法制度が不可欠です。
よって、政府におかれては、食料主権と食の安全を守り、公共財としての多様な日本の種子を保全するために、「主要農作物種子法」を復活するよう強く要望いたします。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
  
令和  年  月  日

議長名

内閣総理大臣
農林水産大臣

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