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意見書第9号 最低賃金の大幅引き上げを求める意見書について

本会議議決結果

議決日:令和元年7月2日
議決結果:否決

内容

熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
 
  令和元年7月2日提出
       
熊本市議会議員  西岡誠也
同        福永洋一
同        上野美恵子
同        那須 円

熊本市議会議長 倉重 徹 様
意  見  書 (案)

労働者の健康で文化的な最低限度の生活を保障するため、最低賃金を抜本的に引き上げられるよう要望いたします。

(理 由)
貧困と格差が広がる中で、年収200万円以下の労働者が1,132万人に上り、4年連続で1,100万人を超えています。安倍首相は、全国平均時給1,000円の最低賃金を目指すとしていますが、それが実現するのは2023年です。また、東京と地方間の格差は、時給で221円、年収で39万7,800円(1,800時間で計算)へと更に拡大しています。格差是正を目的とする最低賃金制の下で格差が拡大するという異常な事態になっています。
働く貧困層を無くすには、労働者全体の賃金の底上げとなる最低賃金の大幅引き上げが必要です。最低賃金の地域間格差を是正し、世界の先進国では当たり前の全国一律最低賃金制に踏み出すこと、最低賃金は「今すぐどこでも時給1,000円」を実現し、1,500円を目指すことこそ求められます。そうすれば、フルタイムで働く場合、時給1,000円なら年収186万円、時給1,500円なら年収279万円であり、労働者の健康で文化的な生活を保障する最低限の賃金と言えます。
憲法が定める「健康で文化的な最低限度の生活」ができる水準に最低賃金を引き上げるのは、国の責任です。全国の様々な労働団体も、時給1,000円以上への引き上げを要求しており、政府はこれに応えるべきです。
同時に、全ての労働者にひとしく適用される全国一律最低賃金制を確立すべきです。どこで働き、どんな職業に就いていようとも、人間らしい最低限度の生活を保障するというのが最低賃金制の役割であり、国の責任です。多くの国が全国最低賃金制を採用しており、地域別最低賃金が47もあり、都道府県別に格差をつけた最低賃金にするというのは日本だけです。
最低賃金の引き上げは、東京一極集中を是正して、地域経済にも大きな波及効果があります。政府は、「中小企業の経営を圧迫する」ことを口実に、最低賃金の抜本的な引き上げを拒否していますが、これでは労働者の生活も、中小企業の経営も、苦しいまま放置することになってしまいます。中小企業への支援とあわせて、最低賃金の引き上げを進めてこそ、経済全体の底上げを図ることができます。
よって、政府におかれては、8時間働けば普通に暮らせる社会をつくるため、中小企業への支援を抜本的に強めつつ、直ちに全国一律1,000円への引き上げ、更には1,500円を目指していく最低賃金の抜本的引き上げを行われるよう強く要望いたします。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
  
令和  年  月  日

議長名

内閣総理大臣
厚生労働大臣

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