意見書第4号 統計データ不正問題の真相解明を求める意見書について
議決日:平成31年3月8日
議決結果:否決
熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
平成31年3月8日提出
熊本市議会議員 田尻将博
同 上田芳裕
同 西岡誠也
同 上野美恵子
熊本市議会議長 くつき信哉 様
意 見 書 (案)
国民生活に被害と影響が甚大である統計データ不正問題について、徹底的な真相解明を行われるよう要望いたします。
(理 由)
厚生労働省の「毎月勤労統計調査」が、長年にわたって誤った手法で行われていた上、そのことが隠され続けていました。毎月勤労統計は、賃金、雇用、労働時間などの実態を示す大切な指標です。今回の偽装は、従業員500人以上の事業所は全数調査をしなければならないにもかかわらず、東京都については2004年から約3分の1の抽出調査しかせず、それを非公表にし続けただけでなく、「データ補正」のソフトまで作って、隠蔽を重ねてきたなどというものです。誤った手法が取られた結果、賃金の動向などは実態と乖離していました。
同統計は、国勢統計などとともに56ある「基幹統計」の一つです。景気や雇用の動向の算出に使われるほか、国内総生産(GDP)の発表の際にも活用されているだけに、その偽装は、国の統計そのものへの信頼を根本から失わせる事態です。
加えて統計は、雇用保険の失業給付、労災保険の休業補償給付、育児休業や介護休業の給付など、国民生活を支える様々な制度の給付額算定のベースにされています。偽装によって賃金水準が低く出たため、それらの制度の給付額も減少しました。厚労省によれば、給付不足が延べ1,973万人、推計で総額約537億5,000万円に上ります。
とりわけ究明が急がれるのは、2004年から続いていた統計不正が、2018年1月からは、ひそかに「データ補正」が行われ、組織的隠蔽が図られた問題についてです。厚労省が設置した特別監察委員会の報告書では、「組織的隠蔽」を否定するばかりで動機や背景には迫っていません。さらに、2018年1月からは調査対象事業所の入れ替えなどにより、それまで低く出ていた給与総額との比較で「上振れ」する結果となったことが大問題になっています。
実際、統計偽装の発覚後に再集計した「修正値」では、実質賃金の伸び率は軒並み下方修正されました。政府が盛んに自慢する“賃上げ”は、かさ上げされた数字が根拠だったことを示しています。しかも、調査対象事業所を入れ替えずに計算した場合の実質賃金の伸び率の「参考値」は、野党側の試算でマイナスとなっています。しかし、政府は「参考値」の公表に否定的な態度を取っています。都合の悪い事実を明かそうとしないという隠蔽姿勢は、国民の不信を増幅させることにしかなりません。
こうした不正は、国民の政府への信用を根底から破壊するものと言わなければなりません。
よって、政府におかれては、国民生活への被害と影響が極めて甚大である統計データ不正問題について、徹底的な真相解明を行われるよう強く要望いたします。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
平成 年 月 日
議長名
内閣総理大臣
総務大臣
厚生労働大臣