意見書第28号 「特定複合観光施設区域整備法」の廃止を求める意見書について
議決日:平成30年9月28日
議決結果:否決
熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
平成30年9月28日提出
熊本市議会議員 田尻将博
同 上田芳裕
同 西岡誠也
同 上野美恵子
熊本市議会議長 くつき信哉 様
意 見 書 (案)
様々な社会的問題の発生が懸念されるカジノ解禁を内容とする「特定複合観光施設区域整備法」等を廃止されるよう要望いたします。
(理 由)
「特定複合観光施設区域整備法」(カジノリゾート整備法)が7月20日、成立しました。しかし、本法は「欠陥法」と言わざるを得ません。
カジノリゾート整備法は、条文で251条・附則16条から成りますが、200条を超える新規立法は、介護保険法の制定以来約20年ぶりです。介護保険法が3国会にわたり審議したのに比し、本法では地方公聴会や中央公聴会も開催されず、衆参両院でわずか40時間程度の審議で採決が強行されました。しかも、政省令やカジノ管理委員会規則に「丸投げ」する委任事項が、条文より多い331項目あり、施行についての意見や希望などを表明する附帯決議が31項目もあります。
また、これまで法務省は、賭博が違法とされないためには「8点の考慮要素」(8要件)が必要との立場をとってきました。しかし政府は、「総合的に制度全体を観察、考察」すればよいとするばかりで、「違法性の阻却」について説明責任を全く果たしていません。「収益の使途を公益性のあるものに限る」、「運営主体は、官又はそれに準じる団体に限る」という要件に照らしても、「民設・民営」・「民間賭博」の解禁は、「違法性」を免れることはできません。
さらに、カジノ解禁によって、ギャンブル依存症や多重債務者が増加し、生活破綻や治安悪化も懸念されます。暴力団対策上の問題やマネー・ローンダリング対策上の問題、青少年の健全育成への悪影響等も看過できません。カジノ解禁への環境は整っておらず、カジノの社会的影響や諸課題について、十分に議論が尽くされ、国民的な理解が得られたものとは言えません。国民の6〜7割が反対している中、このまま見切り発車することは許されません。
よって、政府におかれては、下記の事項を講じられるよう強く要望いたします。
記
1 「特定複合観光施設区域整備法」を廃止すること。
2 「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」を廃止すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
平成 年 月 日
議長名
内閣総理大臣
内閣官房長官
国土交通大臣