意見書第25号 キャッシュレス社会の実現を求める意見書について
議決日:平成30年9月28日
議決結果:可決
熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
平成30年9月28日提出
熊本市議会議員 鈴木 弘
同 藤岡照代
同 園川良二
同 藤永 弘
同 井本正広
同 浜田大介
同 三森至加
熊本市議会議長 くつき信哉 様
意 見 書 (案)
事業者の生産性向上やインバウンド需要の取り込みなど、経済全体に大きなメリットをもたらすキャッシュレス社会の実現に向け、所要の施策を講じられるよう要望いたします。
(理 由)
世界各国のキャッシュレス決済比率を比較すると、キャッシュレス化が進展している国は40%〜60%台であるのに対し、我が国は20%にとどまっているのが現状です。
日本でキャッシュレス支払が普及しにくい背景として、治安の良さや偽札の少なさ等の社会情勢に加え、消費者が現金に不満を持たず、キャッシュレスに漠然と不安を持っていること、さらには、店舗における端末負担コストやネットワーク接続料、加盟店手数料等のコスト構造の問題等が挙げられています。しかし、近年は実店舗における人手不足やインバウンド対応、スマートフォンを活用した支払サービスの登場等、キャッシュレス推進の追い風となる動きも見受けられます。
政府も平成26年に閣議決定された「日本再興戦略」改定2014において、2020年オリンピック・パラリンピック等を踏まえ、キャッシュレス化に向けた対応策を検討するなど、これまで4回にわたりキャッシュレス推進の方針を打ち出してきました。平成30年閣議決定の「未来投資戦略2018」では、「今後10年間(2027年6月まで)に、キャッシュレス決済比率を倍増し、4割程度とすることを目指す」としています。
よって、政府におかれては、キャッシュレス化の推進は、事業者の生産性向上やインバウンド需要の取り込み、消費者の支払の利便性向上に加え、データの蓄積を通じたイノベーションの実現にもつながるなど、経済全体に大きなメリットがあることから、下記の事項について実現されるよう強く要望いたします。
記
1 実店舗等がコスト負担している支払手数料のあり方を見直すなど、ビジネスモデル変革のための環境整備を行うこと。
2 地域商店街等と連携したポイント制度などのインセンティブ措置を検討し、消費者に対する利便性向上を図ること。
3 QRコード等のキャッシュレス支払に関する技術的仕様の標準化を行うなど、サービスの統一規格や標準化等を整備すること。
4 産官学が連携して必要な環境整備を進めていくとともに、キャッシュレス支払を通じて新たに生み出されるデータの利活用によるビジネスモデルを促進すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
平成 年 月 日
議長名
内閣総理大臣
財務大臣
経済産業大臣
国土交通大臣