意見書第24号 児童虐待防止対策の更なる強化を求める意見書について
議決日:平成30年9月28日
議決結果:可決
熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
平成30年9月28日提出
熊本市議会議員 鈴木 弘
同 藤岡照代
同 園川良二
同 藤永 弘
同 井本正広
同 浜田大介
同 三森至加
熊本市議会議長 くつき信哉 様
意 見 書 (案)
虐待から子どもの命を守るため、児童虐待防止対策の更なる強化に向けた所要の施策を講じられるよう要望いたします。
(理 由)
今般、東京都目黒区で両親から虐待を受け女児が死亡するという痛ましい事件が発生しました。このような虐待事案は、近年、急増しており、平成28年度中に全国の児童相談所に寄せられた児童虐待相談件数は12万件を超え、5年前と比べると倍増しています。
こうした事態を重く受け止め、政府は平成28年、平成29年と連続して児童福祉法等を改正し、児童虐待防止対策を強化してきました。しかし、今回の事案は、児童相談所が関与していたにもかかわらず、虐待から救うことができませんでした。
虐待から子どもの命を守るためには、子どもの異変に早期に気付き、虐待の芽を摘むことが何よりも重要であり、そのためには、児童相談所のみならず関係機関や民間団体等が協働し、虐待の防止に取り組むことが必要です。
よって、政府におかれては、こうした痛ましい事件が二度と繰り返されないためにも、児童虐待防止対策の更なる強化に向け、下記の事項に取り組まれるよう強く要望いたします。
記
1 平成28年度に政府が策定した「児童相談所強化プラン」を拡充し、市町村における児童虐待防止体制を強化するプランを新たに策定するとともに、地方交付税措置を含めた必要な財源措置を速やかに講ずること。
2 子どもの問題を児童相談所に一極集中させている現状を改めること。具体的には、児童相談所と市町村の役割分担を更に明確にするとともに、施設やNPO等民間機関・団体や、警察・学校等の他の行政機関との情報共有、連携を強化して役割分担・協働を加速する「児童相談体制改革」を行うこと。
3 児童相談所間及び児童相談所と市町村の情報共有については、仮に転居があったとしても、危機感や支援状況が確実かつ迅速に引き継げるよう、引継ぎの全国共通ルールを定めるとともに、全国からアクセスできるシステムを整備すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
平成 年 月 日
議長名
内閣総理大臣
総務大臣
文部科学大臣
厚生労働大臣
国家公安委員会委員長