意見書第26号 陸上自衛隊高遊原分屯地へのオスプレイの配備中止を求める意見書について
議決日:平成29年12月12日
議決結果:否決
熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
平成29年12月12日提出
熊本市議会議員 田尻将博
同 上田芳裕
同 西岡誠也
同 上野美恵子
熊本市議会議長 澤田昌作 様
意 見 書 (案)
住民の安全・安心な生活と空の安全を守るため、陸上自衛隊高遊原分屯地にはオスプレイを配備されることのないよう要望いたします。
(理 由)
防衛省は、自衛隊のオスプレイ17機を佐賀空港(佐賀市)に配備する計画が地元の反対で難航する中、1次導入分の5機について、2019年度から陸上自衛隊駐屯地に暫定的に配備する検討を始めています。マスコミでも「熊本空港を活用できる高遊原分屯地などが暫定配備先の候補に挙がっている」と報じられ、熊本県下へのオスプレイ配備の可能性が高まっています。
防衛省は、今年度末にも長崎県佐世保市に「日本版海兵隊」といわれる水陸機動団を新設し、機動団を運ぶ「輸送手段」として、佐賀空港に配備するオスプレイとの一体的運用を狙っています。しかし、佐賀空港へのオスプレイ配備計画をめぐっては、有明海の漁業に対する悪影響を懸念する声も強く、配備予定地の買収さえ行われていません。
そういう中で、政府の進める米軍とともに海外で軍事作戦を実行するための拠点作りの観点から、在沖海兵隊の演習で使われる大分県の日出生台に近く、同じ九州の高遊原が暫定配備先となる可能性は高いとみられています。
一方で、昨年末に沖縄県名護市で起きた墜落事故を含め、今年も8月5日にオーストラリアで墜落し乗組員3人が死亡、9月29日にはシリアで墜落し乗組員2人が負傷などを含め、機体が大破するなどの重大事故が相次ぎ、政府の繰り返す「安全」説明には根拠がないことが浮き彫りになっています。エンジン異常による大分空港への緊急着陸なども後を絶たず、欠陥機オスプレイへの不安は九州でも広がっています。
高遊原分屯地は、阿蘇山の麓に3,000メートルの滑走路がある阿蘇くまもと空港内に所在し、南には熊本地震で住まいを失った約1,300人が暮らす県内最大の仮設住宅団地が近接しています。
危険な重大事故を繰り返すオスプレイの陸上自衛隊高遊原分屯地への配備は、近隣住民はもとより、熊本の空の玄関である阿蘇くまもと空港の利用者、熊本地震によって大きな被害を受けた被災者の方々をも、深刻な危険にさらすことになります。
住民の安全・安心な生活と、空の安全を守るためにも、陸上自衛隊高遊原分屯地へのオスプレイ配備は行うべきではありません。
よって、政府におかれては、陸上自衛隊高遊原分屯地にオスプレイを配備されることのないよう強く要望いたします。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
平成 年 月 日
議長名
内閣総理大臣
防衛大臣