意見書第6号 国立ハンセン病療養所菊池恵楓園の存続と医療、福祉の充実を求める意見書について
議決日:平成13年3月27日
議決結果:可決
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│ 発議第6号 │
│ 国立ハンセン病療養所菊池恵楓園の存続と医療、福祉の充実を求める意見書│
│ について │
│ 地方自治法第99条及び第112条の規定により意見書を次の通り提出する。│
│ 平成13年3月27日提出 │
│ 熊本市議会議員 古 川 泰 三 │
│ 同 下 川 寛 │
│ 同 島 永 慶 孝 │
│ 同 主 海 偉佐雄 │
│ 同 荒 木 哲 美 │
│ 同 岡 田 健 士 │
│ 同 坂 田 誠 二 │
│ 同 藤 山 英 美 │
│ 同 田 辺 正 信 │
│ 同 佐々木 俊 和 │
│ 同 磯 道 文 徳 │
│ 同 鈴 木 弘 │
│ 同 益 田 牧 子 │
│ 熊本市議会議長 江 藤 正 行 殿 │
│ 意 見 書 (案) │
│ 国立ハンセン病療養所菊池恵楓園の存続と入所者に対する生活支援の充実を図│
│ るため特段の措置を講じられるよう強く要望いたします。 │
│ (理 由) │
│ 政府は、「中央省庁等改革基本法」に基づき、現行1府21省庁を1府12省│
│ 庁に再編するとともに、国立病院・療養所等を独立行政法人化の対象としていま│
│ す。 │
│ 全国13のハンセン病療養所は独立行政法人化の対象から除外されてはいるも│
│ のの、政府・厚生省は、「入所者の減少の中で13の園が10年後、20年後ま│
│ で存続する見通しが立たない」として、ハンセン病療養所の将来展望については│
│ 明らかにされていません。 │
│ 強制隔離を骨格とする「らい予防法」は、 '96年にようやく廃止されました│
│ が、法の廃止によっても、依然として問題は残されており、予防法の廃止に当 │
│ たって全会一致で採択された国会決議でも、政府に対して、高齢化、後遺障害等│
│ の実態を踏まえて医療、生活の確保に万全を期すこと、正しい知識の普及と啓発│
│ 活動など差別、偏見の解消に一層努力することなどを求めてます。 │
│ ハンセン病療養所の入所者の平均年齢は70歳を超え、成人病などの合併症が│
│ 急増し(1人平均3.6疾病)、障害程度二級以上の重度障害者の割合も入所者│
│ の8割を超え、寝たきりや痴呆症も急増しており、高齢化に対応した医療・看 │
│ 護・介護体制の整備強化はまさに急務となっております。 │
│ 国は、ハンセン病療養所入所者の方々に十分な医療・生活保障を行う責任があ│
│ り、多くの入所者の方々は現在の療養所での療養を望んでおり、医療、福祉の拡│
│ 充は入所者の最も切実な要求であります。したがって、入所者の減少によってハ│
│ ンセン病療養所を統廃合するのではなく、医療機能の充実強化によって入所者の│
│ 医療を十分に保障し、地域に開かれた医療施設として存続発展させることが入所│
│ 者、職員、地域住民の願いにかなうものであり、入所者の医療、福祉を具体的に│
│ 保障するものであります。 │
│ よって、政府におかれては、ハンセン病療養所を統廃合をせず、国会決議に基│
│ づいて医療、福祉を拡充されるよう、次の事項について特段の措置を講じられる│
│ よう強く要望いたします。 │
│ 記 │
│ 1 国会決議に基づき、入所者の高齢化に対応した医療・介護の確保に万全を期│
│ すこと。 │
│ 2 ハンセン病療養所菊池恵楓園の将来のあり方については、入所者、職員、地│
│ 元住民など関係者の意見を尊重し、存続、発展させること。 │
│ 3 ハンセン病に関する正しい理解を広める啓発活動を積極的に進めること。 │
│ │
│ 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。 │
│ 平成 年 月 日 │
│ 議 長 名 │
│ 内閣総理大臣┐ │
│ 財務大臣 ├─宛(各通) │
│ 厚生労働大臣┘ │
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