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件名

意見書第7号 ライドシェアの導入に反対し、安心・安全のタクシーを求める意見書について

本会議議決結果

議決日:平成29年6月23日
議決結果:可決

内容

熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
 
  平成29年6月23日提出
       
熊本市議会議員  園川良二
同        田尻将博
同        上田芳裕
同        西岡誠也
同        浜田大介
同        上野美恵子

熊本市議会議長 澤田昌作 様

                     意  見  書 (案)

市民の安心・安全な公共交通を守るため、所要の施策を講じられるよう要望いたします。

(理 由)
 政府は、昨年7月、内閣官房IT総合戦略室長の下に「シェアリングエコノミー検討会議」を設置し、11月に中間報告をまとめました。
ライドシェアは、道路運送法で禁止されてきた「白タク」を合法化するものであり、@二種免許や運行管理も不要とされ、利用者の安心・安全が脅かされること、A地域公共交通を弱体化させ、既存のタクシー事業を崩壊させること、B公共交通ではないことから、需給状況によっては運賃が変動すること、C24時間稼動の保証がなく、夜間の利用で、特に女性・高齢者は利用しづらくなること、D事業主体(プラットフォーム)は運送に関する責任は一切持たず、当事者間での解決となることなど多くの問題点があります。
 また、ライドシェアは、Uber(ウーバー)などの配車アプリサービスを利用しますが、事故の補償、暴力や暴行事件、運送対価のトラブルなど、運転手と利用者間の問題があり、さらにウーバーに登録している運転手がウーバー社に対して雇用関係の有無や地位確認などで集団訴訟を起こしている問題もあります。多くの問題点を有するライドシェアが無秩序に容認されれば、経済合理性に過度に重きを置いた経営などにより、利用者の安全が担保されない事態が常態化する恐れは否めません。
 また、ウーバーは、欧米や中国などを中心に急速に拡大していますが、サンフランシスコでは、地域最大のタクシー会社「イエローキャブ」が倒産に追い込まれています。ライドシェアが日本全国に普及すれば、タクシーの産業基盤が奪われるにとどまらず、路線バスや鉄道を含めた地域公共交通の存立を脅かすこととなっていくのは明白であります。
 タクシーは、介護や通院、買い物の足など、地域生活には欠かせない「ドア・ツー・ドアの公共交通機関」であり、市民等にとって安心・安全で快適・便利な交通機関として日常生活や地域の経済活動を支える役割を担っており、高齢化社会が進む中、タクシーへの期待も高まっています。世界一のサービスと安心・安全を標榜する日本のタクシーの現状を見れば、ライドシェアを導入するのではなく、国際的に良質で安全なタクシーをこれからも守っていく観点が大事であります。
 よって、政府におかれては、下記の事項について適切な措置を講じられるよう強く要望いたします。

                              記

1 市民の安心・安全に極めて大きな懸念のあるライドシェアを導入しないこと。
2 公共交通の役割を担っているタクシーを、より安心・安全で快適・便利な交通機関として利 用することができるよう、改正タクシー特措法によるタクシー事業の適正化・活性化をはじめ 必要な諸施策を講ずること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。

   平成  年  月  日

                                          
議長名

内閣総理大臣
総務大臣
国土交通大臣
規制改革担当大臣

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