意見書第4号 オスプレイの飛行禁止と配備撤回を求める意見書について
議決日:平成29年3月24日
議決結果:否決
オスプレイの飛行禁止と配備撤回を求める意見書について
熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
平成29年3月24日提出
熊本市議会議員 田尻将博
同 上田芳裕
同 西岡誠也
同 上野美恵子
熊本市議会議長 澤田昌作 様
意 見 書 (案)
市民の生命及び財産を守るため、オスプレイの飛行禁止と配備撤回等をされるよう要望いたします。
(理 由)
2016年12月13日、米軍普天間基地所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが沖縄県名護市安部の海岸に墜落、大破する事故が発生し、乗員5名のうち2名が負傷しました。墜落現場は陸地から1キロしか離れておらず、一歩間違えば住民を巻き込む大惨事につながる重大事故です。
ところが、米軍沖縄地域調整官は、事故翌日の12月14日には、今回の事故は空中給油訓練中に発生した乱気流で飛行が不安定になったために起きたなどと早々に結論付け、「機体に問題はない」と強調しました。そして、機体の残骸がまだ撤去もされていない、事故からわずか6日後にオスプレイの飛行訓練を、翌年1月6日には空中給油訓練も再開しました。事故の調査や説明が不十分なまま飛行及び訓練を再開したことは、極めて問題です。日本政府はアメリカに対して、厳しく抗議すべきです。
そもそもオスプレイは、開発以来これまで9回の墜落事故を起こし40名もの乗員の命を失う「空飛ぶ棺おけ」の異名をとる欠陥機です。日米両政府は、県民の強い反対にもかかわらず、普天間基地にオスプレイを24機も強行配備し、これまで沖縄県民に爆音被害と墜落の不安を与えてきました。不安が現実になった今回の墜落事故は、県民に激しい怒りと強い衝撃を与えています。
米軍がオスプレイ配備に際し作成した「環境レビュー」は、沖縄以外でも6ルートでオスプレイが低空飛行訓練をするとしています。訓練ルート下の自治体は21県140市町村に上り、実際の飛行はルートを外れる場合もあるため、危険にさらされる自治体は更に膨れ上がるとみられます。
九州でも県営佐賀空港では、陸上自衛隊のオスプレイ17機の配備が計画されています。熊本県も低空飛行訓練「イエロールート」の下にあり、熊本市上空をオスプレイが低空飛行する可能性も大いにあります。一たび墜落等の事故が起これば、多くの市民の生命・身体や財産を犠牲にする大惨事につながりかねません。
よって、政府におかれては、市民の生命・財産を守る立場から、下記の事項について速やかに措置されるよう強く要望いたします。
記
1 事故原因を徹底的に究明し、その結果を速やかに明らかにすること。
2 オスプレイの飛行を直ちに中止し、配備を撤回すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
平成 年 月 日
議長名
内閣総理大臣
防衛大臣