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件名

意見書第22号 南スーダンに派遣されている自衛隊の即時撤退を求める意見書について

本会議議決結果

議決日:平成28年12月20日
議決結果:否決

内容

熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
 
  平成28年12月20日提出
       
熊本市議会議員  田尻将博
同        上田芳裕
同        西岡誠也
同        上野美恵子

熊本市議会議長 澤田昌作 様

                   意  見  書 (案)

南スーダンに派遣されている自衛隊を即時撤退されるよう要望いたします。

(理 由)
2016年11月15日、政府は、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣する陸上自衛隊の部隊に、昨年9月に成立した安全保障関連法に基づく新任務である駆けつけ警護を付与することを盛り込んだ実施計画を閣議決定し、あわせて国家安全保障会議において宿営地の共同防護ができることを確認しました。同閣議決定に基づき、稲田朋美防衛相は18日、南スーダンPKOに派兵する自衛隊部隊に対し、「駆けつけ警護」と「宿営地共同防護」の新任務に関する命令を出しました。
しかし、南スーダンは、新任務の付与どころか、政府自身が決めた自衛隊派兵の前提である停戦合意や中立性など「PKO参加5原則」そのものが崩れているのが現実です。
2013年12月のキール大統領派(政府軍)とマシャール前副大統領派の武装勢力との戦闘が首都ジュバから全土に広がり、深刻な内戦に陥りました。2015年8月には「和平合意」が結ばれたものの、今年7月にはジュバで再び大規模な戦闘が発生し、数百人が死亡しました。その後も戦闘は各地で続いています。
11月1日に公表された国連特別調査報告書は、7月の戦闘によってキール大統領とマシャール前副大統領との「和平合意」は「崩壊」したと断定しています。「PKO参加5原則」の停戦合意の破綻は明瞭であり、自衛隊は撤退すべきです。
稲田防衛相が命令した「駆けつけ警護」は、PKO部隊(国連南スーダン派遣団=UNMISS)やNGOなどの関係者が襲撃された際、現場に駆けつけて救助する任務です。任務遂行のための武器の使用も認められています。
政府は、UNMISSの他国部隊を「駆けつけ警護」することは「想定されない」とし、「安全性」を強調していますが、改定PKO法にも、閣議決定した「実施計画」にも、警護対象の限定はありません。
7月の戦闘では、UNMISS関連施設なども攻撃・襲撃を受け、国連特別調査報告書は、南スーダン政府軍の関与も指摘しています。自衛隊が「駆けつけ警護」を行えば、南スーダン政府軍と交戦する事態も起こりかねません。国民の尊い命が奪われます。熊本市には北区、東区に自衛隊の駐屯地があり、住民の大きな不安となります。政府軍との戦闘は、憲法9条が禁止する海外での武力行使そのものであり、こうした事態につながりかねない自衛隊の派遣は直ちに中止すべきです。
よって、政府におかれては、下記の事項について実施されるよう強く要望いたします。

                          記

1 南スーダンに派遣されている自衛隊の即時撤退を行うこと。
2 南スーダンに派遣する陸上自衛隊に対し「駆けつけ警護」「宿営地共同防護」の新任務を付与することとした閣議決定を撤回すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
 
平成  年  月  日

議長名

内閣総理大臣
防衛大臣

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