意見書第17号 子ども医療費助成制度の拡充を求める意見書について
議決日:平成28年12月20日
議決結果:可決
熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
平成28年12月20日提出
熊本市議会議員 田尻将博
同 上田芳裕
同 西岡誠也
同 上野美恵子
熊本市議会議長 澤田昌作 様
意 見 書 (案)
子ども・子育て支援及び子どもの貧困化防止に資する子ども医療費助成制度の拡充を図るため、所要の施策を講じられるよう要望いたします。
(理 由)
少子化や子どもの貧困化が深刻化する中で、若い世代が経済的な心配をせずに子どもを産み育てられる環境づくりが求められています。中でも子どもの医療費用は子育て世代にとって負担が大きく、その軽減は急務です。親の経済状況に左右されることなく、未来を担う全ての子どもたちが必要な医療を受けられることが重要です。
医療保険制度における子どもの自己負担額は0歳から就学前までが2割、就学時から3割ですが、現在、全ての都道府県が域内の市町村に補助を行い、多くの市町村がそれに上乗せして子どもの医療費を助成しています。しかし、厳しい財政状況の下、地方単独事業であることから、助成の対象年齢や自己負担額などについて大きな自治体間格差が生じています。
また、いまだに医療費助成を償還払いとしている自治体が少なくありません。償還払いは患者が一旦窓口で費用を負担しなければならず、受診抑制が起こりやすいという問題があります。にもかかわらず、自治体が窓口負担のない現物給付に踏み切れないのは、窓口負担をなくすと医療費がかさむ等を理由に、国が国民健康保険国庫負担金の減額措置を行っているからです。
国は、地方の少子化問題に取り組むとして、各自治体に地方版の「人口ビジョン」や「総合戦略」の策定を求めていながら、自治体にこのようなペナルティーを科すことは矛盾しています。
よって、政府におかれては、子ども・子育て支援及び子どもの貧困化防止の観点から、下記の事項について早急に対応されるよう強く要望いたします。
記
1 全ての子どもの医療費助成については、中学校卒業まで窓口負担のない現物給付方式での全額国庫負担により助成すること。
2 現物給付方式を理由にした国民健康保険国庫負担金の減額措置を廃止すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
平成 年 月 日
議長名
内閣総理大臣
財務大臣
厚生労働大臣