意見書第12号 「同一労働同一賃金」の実現を求める意見書について
議決日:平成28年9月27日
議決結果:可決
熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
平成28年9月27日提出
熊本市議会議員 江藤正行
同 坂田誠二
同 津田征士郎
同 原口亮志
同 本一臣
同 藤永 弘
同 井本正広
同 田尻清輝
熊本市議会議長 澤田昌作 様
意 見 書 (案)
「同一労働同一賃金」を早期に実現するため、所要の施策を講じられるよう要望いたします。
(理 由)
女性や若者などの多様で柔軟な働き方を尊重しつつ一人一人の活躍の可能性を大きく広げるためには、我が国の労働者の約4割を占める非正規雇用労働者(パートタイム労働者)の待遇改善は待ったなしの課題です。現在、この非正規雇用労働者の賃金やキャリア形成などの処遇において、例えば非正規雇用労働者の時間当たりの賃金は正社員の6割程度と、正規と非正規の間に大きな開きがあるのが現状です。
今後急激に生産年齢人口が減少していく我が国において、多様な労働力の確保とともに個々の労働生産性の向上は喫緊の課題であり、賃金だけでなく、正規・非正規を問わない社員のキャリアアップに資する教育訓練プログラムの開発及び実施も含めた、雇用の形態に関わらない均等・均衡待遇の確保がますます重要になっています。
今この時、非正規雇用労働者の賃金の見直しやキャリアアップ、さらに正社員転換を視野に入れたワーク・ライフ・バランスに資する多様な正社員のモデルケースなどの普及も含め、「同一労働同一賃金」の考えに基づく非正規雇用労働者の待遇改善のための総合的な施策を迅速に実施できるかどうかが、私たちの地域そして我が国の将来を左右すると言っても過言ではありません。
よって、政府におかれては、日本の雇用制度に既にビルトインされている独自の雇用慣行や中小企業への適切な支援にも充分に留意しつつ、非正規雇用労働者に対する公正な処遇を確保し、その活躍の可能性を大きく広げる「同一労働同一賃金」の一日も早い実現のため、下記の事項について躊躇なく取り組まれるよう強く要望いたします。
記
1 非正規雇用労働者と正規雇用労働者との不合理な待遇差の是正並びに両者の待遇差に関する事業者の説明の義務化などについて、関連法案の改正等を進めること。
2 とりわけ厳しい経営環境にある中小企業に対して、例えば非正規雇用労働者の昇給制度の導入など、賃金アップや処遇改善に取り組みやすくするための様々な支援のあり方についても充分に検討すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
平成 年 月 日
議長名
内閣総理大臣
厚生労働大臣
経済産業大臣
働き方改革担当大臣