意見書第35号 安全保障関連法の強行採決に抗議し法の廃止を求める意見書について
議決日:平成27年12月17日
議決結果:否決
熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
平成27年12月17日提出
熊本市議会議員 田尻将博
同 西岡誠也
同 上田芳裕
同 上野美恵子
熊本市議会議長 満永寿博 様
意 見 書 (案)
集団的自衛権の行使を容認した閣議決定を撤回し、安全保障関連法を廃止されるよう要望いたします。
(理 由)
去る9月19日、参議院本会議において安全保障関連法(戦争法)が成立しました。
これは、昨年7月の集団的自衛権の行使を可能とする閣議決定を受け、武力攻撃事態法、PKO法など既存の10の法律を一括して改正する平和安全法制整備法と、新法の国際平和支援法の2法から成ります。
この法律は、国会の審議を通じて憲法違反の法律であることが明白となっています。戦闘地域での兵站活動、戦乱の続く地域での治安維持活動、核兵器・毒ガス兵器・劣化ウラン弾やクラスター爆弾まで輸送できるとする後方支援活動は、憲法が禁じる武力行使そのものです。圧倒的多数の憲法学者、内閣法制局長官経験者、最高裁長官経験者が、安全保障関連法案は「違憲」と断じたことは、極めて重大であります。
各種世論調査でも、審議をすればするほど、国民の多数から安全保障関連法案に「反対」の声が広がり、「今国会で成立させるべきでない」が6割を超え、「政府の説明が不十分」とするものが8割を超えていたことは、国民の理解が得られていないことを示すものであります。
国会審議の中では、自衛隊の内部文書も明らかになり、「軍軍間の調整所の設置」や「南スーダンのPKO活動での駆けつけ警護の実施」など、国会と国民にも示されないまま、戦争法ともいうべき安全保障関連法の成立を前提とした具体化が図られていたことは、極めて重大な事態であります。
憲法の根幹にかかわるこの法律が十分な審議を行うことなく成立したことは極めて遺憾であり、戦争法案の強行採決に抗議するものであります。
よって、政府におかれては、集団的自衛権の行使を容認した閣議決定を撤回し、第189回通常国会で成立した憲法違反の戦争法を廃止されるよう強く要望いたします。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
平成 年 月 日
議長名
内閣総理大臣
防衛大臣
安全保障法制担当大臣