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件名

意見書第34号 TPP参加に対する情報公開と国会審議の徹底を求める意見書について

本会議議決結果

議決日:平成27年12月17日
議決結果:否決

内容

熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
 
  平成27年12月17日提出
       
熊本市議会議員  田尻将博
同        西岡誠也
同        上田芳裕
同        上野美恵子

熊本市議会議長 満永寿博 様

                 意  見  書 (案)

TPP交渉に関するあらゆる情報を開示し、国会審議を徹底されるよう要望いたします。

(理 由)
 TPP(環太平洋経済連携協定)交渉参加各国の閣僚会合は、10月5日に「大筋合意」に達しました。しかし、生産現場では、「農産物重要5項目」の関税堅持を求めた衆参農林水産委員会決議が守られたのか疑問の声が強いほか、5項目にとどまらず全ての野菜や主要果実の関税撤廃など、これまで国民に全く知らされていなかった合意内容が次々と明らかになり、大きな衝撃と不安が急速に広がっています。
 農産物主要5項目を含め、日本が過去に関税撤廃したことのない農林水産物834品目のうち半数近い395品目で関税が撤廃され、農林水産物全体(2,328品目)では81%に当たる1,885品目で関税がなくなるなど、日本の一次産業が全く前例のない空前の市場開放を強いられる今回の「大筋合意」の内容は、明確に国会決議違反であるのみならず、安倍政権の掲げる農業・農村所得増や食料自給率向上、飼料用米の推進などの政策とも全く整合性、一貫性がとれておらず、地域社会に与える影響も甚大であります。
 TPPは、国家主権や国民生活よりもグローバル資本の利益を最重視する不平等な新自由主義協定であり、その影響は農と食の安全・安心、医療、労働、環境、知的財産など国民の命と生活全般に及びます。「ISDS(投資家・国家間訴訟)」条項で一国の司法権や行政権を越えてグローバル企業に強大な訴訟権を与える主権侵害の恐れも強い上、国民の知る権利をないがしろにし、国会にすら未だ情報開示しない秘密主義など問題点が山積しています。
 また、米議会からは今回の合意内容に批判が噴出しており、このままでは議会の承認が得られないと米政府が判断すれば、日米間の合意事項も再交渉を迫られ、さらなる譲歩を強いられる恐れも拭えません。これ以上、日本がTPP交渉の枠組みにとどまることは、国益を大きく損ね、地域社会の衰退・切り捨てにつながりかねません。
 よって、国及び政府におかれては、下記の事項について実現されるよう強く要望いたします。

                     記

1 政府は、あらゆる関連文書及び農林水産業をはじめ国内産業に与える影響額の試算などを直ちに公表すること。
2 あらゆる情報開示をした上で国会で徹底した議論を行い、拙速かつ安易な署名や承認を行わないこと。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。

平成  年  月  日

議長名

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
外務大臣
農林水産大臣
経済産業大臣

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