意見書第24号 重度心身障がい者医療費・子ども医療費・ひとり親家庭医療費の現物給付に係るペナルティーの廃止を求める意見書について
議決日:平成27年10月2日
議決結果:否決
熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
平成27年10月2日提出
熊本市議会議員 田尻将博
同 西岡誠也
同 上田芳裕
同 上野美恵子
熊本市議会議長 満永寿博 様
意 見 書 (案)
必要な医療を保障し、国民健康保険財政を適切に運営するため、医療費補助の現物給付に対する国庫負担減額のペナルティーを廃止されるよう要望いたします。
(理 由)
今や「子どもの医療費無料化制度」は、全国の全ての自治体で独自に実施されています。少子化の中で、子育て世代の方々が一番要求している経済的負担の軽減において大変効果のある制度として、実施自治体でも年々制度を拡充している現状にあります。
熊本市は、そのほか「重度心身障がい者医療費助成制度」、「ひとり親家庭医療費助成制度」も実施しています。子育て世帯にとっての経済的負担軽減の重要性はもちろんですが、重度心身障がい者世帯やひとり親家庭も経済的に厳しい生活を送っており、当該世帯への経済的な負担軽減も同様に極めて重要であります。そういう中にあって、重度心身障がい者医療費・子ども医療費・ひとり親家庭へ自治体が行う医療費助成は、大切な役割を果たしています。
特に、医療費助成を行う場合、償還払いでは初期の費用負担が大きくなるため、せっかくの制度が必要に応じて十分に活用できません。重度心身障がい者・子ども・ひとり親家庭が安心して医療を受けられるための制度がありながら、償還払いによって、実際には必要な医療が受けられない場合も生じてきます。自治体が独自に、利用者の立場で、費用負担の心配なく安心して医療が受けられるようにと現物給付を実施していることは、必要な医療の保障にとって大変重要なことです。
しかし、国は、自治体独自の子ども医療費無料化・重度心身障がい者医療費助成・ひとり親家庭医療費助成の現物給付について、国民健康保険会計への国庫負担金を減額するというペナルティーを行っています。熊本市では、年間1億円を超える減額が実施されています。このペナルティーによって、それぞれの医療費補助を受ける方が必要な医療を受けられない状況になるとともに、もともと構造的な問題があり、厳しい状況にある国民健康保険財政の矛盾を深める要因ともなっています。
よって、政府におかれては、子育て世帯、障がい者世帯、ひとり親世帯への必要な医療を保障するため、また、国民健康保険財政の適切な運営のためにも、各医療費補助の現物給付に対する国庫負担減額のペナルティーを廃止されるよう強く要望いたします。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
平成 年 月 日
議長名
内閣総理大臣
財務大臣
厚生労働大臣