意見書第21号 安全保障法制の第189回通常国会での制定・改正に反対する意見書について
議決日:平成27年7月3日
議決結果:否決
熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
平成27年7月3日提出
熊本市議会議員 田尻将博
同 西岡誠也
同 上田芳裕
同 上野美恵子
熊本市議会議長 満永寿博 様
意 見 書 (案)
第189回通常国会において安全保障に関する2法案の制定・改正を行われないよう要望いたします。
(理 由)
政府は、第189回通常国会に「国際平和支援法案」と「平和安全法制整備法案」の2法案を提出しました。国際平和支援法案は、多国籍軍等の戦争を自衛隊が随時支援できるようにするための恒久法であり、平和安全法制整備法案は、集団的自衛権の行使を可能とするための自衛隊法改正案など10法案を一括したものです。
いずれも自衛隊の武力行使の条件を整備し、これまで自国防衛以外の目的に行使できなかった自衛隊の力を、米国等の求めに応じて自由に行使できるようにするものです。戦争を放棄し、戦力の不保持を定めた憲法に反することは明らかです。
政府は長年にわたって「憲法第9条下において許容されている自衛権の行使は、我が国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべき」として、集団的自衛権の行使や他国軍の武力行使との一体化を憲法違反としてきました。今回の2法案は、平和憲法下の我が国の基本政策を転換し、戦争を放棄した平和国家日本の在り方を根本から変えるものであり、到底認めることはできません。
また、6月4日の衆議院憲法審査会で、民主党と維新の党が推薦した憲法学者のみならず、自民・公明・次世代の党が推薦した憲法学者でさえ、安全保障関連法案に対して「憲法違反」との認識を示しています。
政府は、憲法の平和主義、専守防衛の原則を堅持した上で、国民の生命、財産及び我が国の領土、領海を守る観点から安全保障政策を構築する責任があります。
よって、政府におかれては、安全保障に関する国民の疑問や不安を真摯に受け止め、今通常国会において、この2法案の制定・改正を行われないよう強く要望いたします。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
平成 年 月 日
議長名
内閣総理大臣
防衛大臣
安全保障法制担当大臣