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件名

意見書第20号 雇用の安定を求める意見書について

本会議議決結果

議決日:平成27年7月3日
議決結果:否決

内容

熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
 
  平成27年7月3日提出
       
熊本市議会議員  田尻将博
同        西岡誠也
同        上田芳裕
同        上野美恵子

熊本市議会議長 満永寿博 様

                    意  見  書 (案)

労働環境を改善し、雇用の安定を図るため、所要の施策を講じられるよう要望いたします。

(理 由)
働くことは生活の糧を得るだけでなく、生きがいであり、自己実現を図るための重要な手段です。また、働くことは国民の権利であり、雇用を安定させることは、国の重大な責務です。しかし、政府は、労働法制を改悪し、雇用を不安定化させようとしています。
政府は、2014年に二度にわたって廃案になった労働者派遣法改正案の成立を今の通常国会で強行しようとしています。同法案は、派遣労働者の待遇改善に結びつく実効性のある措置を盛り込まないまま、派遣労働者の受け入れ期間の制限を事実上撤廃するものです。正社員が減少し、不安定雇用で低賃金の派遣労働者が拡大することが危惧されます。
また、政府は、「残業代ゼロ法案」(労働基準法改正案)によって、労働時間の基本的保護を無くし、過重な長時間労働を合法的に課す「高度プロフェッショナル制度」の導入、事実上の残業代ゼロで、長時間労働の原因となっている裁量労働制の拡大を目指しています。昨年の国会で全会一致で制定した過労死等防止対策推進法を反故にする「過労死促進法」と言っても過言ではありません。今目指すべきは、残業代をゼロにすることではなく、本人や家族のみならず社会にとっても大きな損失である過労死をゼロにすることです。
さらに、政府が目指す「解雇の金銭解決制度」が導入されれば、裁判で不当な解雇と判断され労働者が職場復帰を希望しても、職場に戻れなくなってしまいます。
よって、政府におかれては、こうした現状に鑑み、下記事項を実現されるよう強く要望いたします。

                        記

1 「生涯」派遣で働かざるを得ない若者を増やす労働者派遣法の改正、過重な長時間労働と過労死を招く「残業代ゼロ」の推進、お金さえ払えば不当解雇できる「解雇の金銭解決制度」の導入など、労働法制の改悪を行わず、雇用の安定を図ること。
2 正社員と派遣労働者との待遇格差を是正するため、同一労働同一賃金を推進すること。
3 過労死等防止対策推進法に基づき、過労死防止施策を総合的に推進すること。
4 労働時間の上限規制など、長時間労働是正のための実効性ある対策を導入すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
  
平成  年  月  日

議長名

内閣総理大臣
厚生労働大臣  
規制改革担当大臣

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