意見書第9号 集団的自衛権行使容認を撤回し、法制化を進めないことを求める意見書について
議決日:平成27年3月5日
議決結果:否決
熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
平成27年3月5日提出
熊本市議会議員 東すみよ
同 田上辰也
同 福永洋一
同 西岡誠也
同 益田牧子
熊本市議会議長 三島良之 様
意 見 書 (案)
集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回し、法制化を中止されるよう要望いたします。
(理 由)
安倍政権は、集団的自衛権の行使容認を柱にした「閣議決定」を具体化する安全保障関連法案を5月にも国会に提出しようとしています。しかも、過激組織「イスラム国」を名乗るグループによる日本人人質事件と絡め、海外で危害に遭った日本人を自衛隊が救出できるようにする法案も含めて提出する考えを示しました。これは「海外で戦争する国」づくりへの危険ななし崩し的拡大です。
政府はこれまで海外での自衛隊の武器使用について、国家や「国家に準ずる組織」に対して行った場合は、憲法9条が禁じる武力行使に当たるとし、自衛隊員の自己防衛などに限定してきました。これに対し「閣議決定」は、領域国政府が同意しその権力が維持されている領域内であれば、敵対する「国家に準ずる組織」は存在しないと決め付け、自衛隊の救出活動などの「警察的な活動」でも武器使用を可能としました。しかし、今回の人質事件はこうしたケースにも当てはまりません。事件は、「イスラム国」の支配地域で起こっており、領域国政府であるシリア政府やイラク政府の「権力が維持されている範囲」とするのは無理があります。こうしたケースでの武器使用は、憲法9条の禁じる武力行使に抵触することは明白です。
そもそも武器を使用した救出活動に道を開く「閣議決定」自体が大問題です。
よって、政府におかれては、「海外で戦争する国」づくりのための集団的自衛権行使容認の「閣議決定」を直ちに撤回し、その法制化を中止されるよう強く要望いたします。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
平成 年 月 日
議長名
内閣総理大臣
防衛大臣