意見書第29号 40人学級再開検討に反対する意見書について
議決日:平成26年12月25日
議決結果:可決
熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
平成26年12月25日提出
熊本市議会議員 満永寿博
同 家入安弘
同 江藤正行
同 牛嶋 弘
同 坂田誠二
同 澤田昌作
同 田尻清輝
同 白河部貞志
同 大石浩文
同 上田芳裕
同 益田牧子
熊本市議会議長 三島良之 様
意 見 書 (案)
公立小学校1年生の35人学級を、40人学級に戻すことのないよう要望いたします。
(理 由)
財務省は、10月27日の財政制度等審議会(会長・吉川洋東大大学院教授)で、公立の小学校1年生で導入されている35人学級を、従来の40人学級に戻すよう求める方針を提示しました。
35人学級は、中央教育審議会(中教審)が少人数学級化の方向を提言したのを受けて、2011年度から、小学1年、2年で順次実現してきたものであります。これに対して財務省は、12年度はむしろ小学校のいじめや暴力行為に占める1年生の割合が増加しており、13年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果についても平均正答率は悪化するなど、「明確な効果があったとは認められない」として、40人に戻すよう求めました。40人学級に戻した場合には教職員数を4,000人減らすことができ、約86億円の財政削減効果があるとしています。
しかし、全国学力テストは毎年の出題レベルが一定ではなく、単純に比較することには意味がありません。また、いじめの件数は発生件数ではなく、学校がどれだけ認知したのかの「認知件数」であり、いじめ自殺事件の社会問題化を受けて丁寧な把握が行われた結果、認知件数が増加したとも考えられます。そもそも、わずか数年のデータで傾向を導き出すのはあまりにも乱暴です。
義務教育の始まりである小学校低学年は、特にきめ細やかな手当が必要な時期であり、教育上の配慮としても、中教審の方向性に照らしても、学級規模を膨らませることはありえません。そもそも日本の公立学校の学級規模は国際的に見ても大きすぎ、35人以下学級を他の学年にも広げていくことこそ求められています。また、我が国のGDP(国内総生産)に占める公的教育費の割合はOECD加盟国中最低です。
よって、政府におかれては、教育予算の増額に取り組むとともに、35人学級を40人学級に戻すことのないよう強く要望いたします。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
平成 年 月 日
議長名
内閣総理大臣
財務大臣
文部科学大臣