意見書第19号 危険ドラッグの根絶に向けた総合的な対策の強化を求める意見書について
議決日:平成26年10月6日
議決結果:可決
熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
平成26年10月6日提出
熊本市議会議員 満永寿博
同 江藤正行
同 牛嶋 弘
同 坂田誠二
同 澤田昌作
同 藤岡照代
同 園川良二
同 益田牧子
熊本市議会議長 三島良之 様
意 見 書 (案)
危険ドラッグの根絶へ向け、総合的な対策の強化を図られるよう要望いたします。
(理 由)
昨今、「合法ハーブ」等と称して販売される薬物(いわゆる「危険ドラッグ」)を吸引し、呼吸困難を起こしたり、死亡したりする事件が全国で相次いで発生しています。特に、その使用によって幻覚や興奮作用を引き起こしたことが原因とみられる重大な交通事故の事案が度々報道されるなど、深刻な社会問題となっています。
危険ドラッグは「合法」と称していても、規制薬物と似た成分が含まれているなど、大麻や覚醒剤と同様に、人体への使用により危険が発生するおそれがあり、好奇心などから安易に購入したり、使用したりすることへの危険性が強く指摘されています。
厚生労働省は、省令を改正し昨年3月から「包括指定」と呼ばれる方法を導入し、成分構造が似た物質を一括して指定薬物として規制しました。また、本年4月には改正薬事法が施行され、指定薬物については覚醒剤や大麻と同様、単純所持が禁止されました。
しかし、指定薬物の認定には数カ月を要し、その間に規制を逃れるために化学構造の一部を変えた新種の薬物が出回ることにより、取り締まる側と製造・販売する側で「いたちごっこ」となっています。また、危険ドラッグの鑑定には簡易検査方法がないため捜査に時間がかかることも課題とされています。
よって、政府におかれては、危険ドラッグの根絶に向けた総合的な対策を強化するため、下記事項の措置を講じられるよう強く要望いたします。
記
1 インターネットを含む国内外の販売・流通等に関する実態調査及び健康被害との因果関係に関する調査研究の推進、人員確保を含めた取締体制の充実を図ること。
2 簡易鑑定ができる技術の開発をはじめ鑑定時間の短縮に向けた研究の推進、指定薬物の認定手続きの簡素化を図ること。
3 薬物乱用や再使用防止のために、「危険ドラッグ」の危険性の周知及び学校等での薬物教育の強化、相談体制・治療体制の整備を図ること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
平成 年 月 日
議長名
内閣総理大臣
文部科学大臣
厚生労働大臣
国家公安委員会委員長