意見書第21号 公共工事の入札不調を解消する環境整備を求める意見書について
議決日:平成25年12月24日
議決結果:可決
熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
平成25年12月24日提出
熊本市議会議員 藤岡照代
同 有馬純夫
同 藤永 弘
同 園川良二
同 井本正広
同 浜田大介
熊本市議会議長 齊藤 聰 様
意 見 書 (案)
公共工事の入札不調を解消するための環境整備を早急に進められるよう要望いたします。
(理 由)
公共工事の入札が成立しない「入札不調」が増加しています。報道によれば、国が今年度の4〜6月に北海道で入札した公共工事では、入札不調が昨年同時期の2倍に上っています。入札不調の増加は、東日本大震災被災地の復興事業や景気回復に伴う建設工事の増加による資材の高騰、工事を担う人材不足が全国的に広がりつつある影響とみられています。
建設業就業者数をみると、平成23年推計(国交省資料)で約497万人となっており、平成4年の619万人から約20%減少しています。また、就業者のうち55歳以上が約33%、29歳以下が約12%と高齢化が進行しています。
その背景には、労働環境の悪化やダンピング受注の増加があります。これまでの建設投資の大幅な減少により受注競争が激化し、ダンピング受注や下請けへのしわ寄せ等で、現場で働く労働者の処遇が悪化するなど、深刻な人材不足への影響が生じています。重労働の割に低賃金なため、中堅・若年層の離職が相次ぎ、就職後3年以内の離職率も製造業の2倍近くに上っています。
震災復興事業は加速させなければならず、また、首都直下地震、南海トラフ巨大地震に備え、老朽化が進む国内全域の公共インフラの防災・減災対策も待ったなしです。そのためにも、必要な公共工事の円滑な入札に対する取り組みは急務といえます。
よって、政府におかれては、入札不調を解消するため、下記の環境整備を早急に進められるよう強く要望いたします。
記
1 地元に精通した施工力のある建設業者が各地域のインフラを安定的・継続的に維持・管理できるようにするため、地元貢献や技術力に対する加点評価など、多様な入札契約方式を導入すること。
2 事業の発注者が元請け業者に支払った代金が、下請け業者や現場で働く職人へ着実に届く流れをつくるため、ダンピング対策を徹底すること。
3 公共工事設計労務単価の大幅引き上げに伴う賃上げ状況の調査とフォローアップ、職人の人材確保と働く環境の改善に向けた社会保険の加入促進や、公共工事の入札において若年者らの確保・育成に取り組む建設業者への加点評価を行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
平成 年 月 日
議長名
内閣総理大臣
総務大臣
厚生労働大臣
国土交通大臣