意見書第19号 消費税率引き上げ見直しを求める意見書について
議決日:平成25年10月4日
議決結果:否決
熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により意見書を次のとおり提出する。
平成25年10月4日提出
熊本市議会議員 家入安弘
同 東すみよ
同 福永洋一
同 西岡誠也
同 益田牧子
熊本市議会議長 齊藤 聰 様
意 見 書 (案)
現段階における消費税率の引き上げ決定を見直されるよう要望いたします。
(理 由)
政府は、去る10月1日、2014年4月からの消費税率引き上げ(現行5%を8%へ)を閣議決定しました。消費税率引き上げについては、内閣府が示す4〜6月期の国内総生産(GDP)改定値などの経済指標をふまえ判断するというものでありましたが、景気回復の現況や経済に与える影響を考えると、現段階での税率の引き上げ決定は行うべきではありません。
アベノミクスによる景気回復への期待感はあるものの、依然として多くの国民には回復の実感はありません。株価上昇などは一部の投資家や資産家のみが「明るさ」を実感しているのみであり、輸出産業など一部の大企業が利益を拡大していますが、この要因は景気回復ではなく円安の影響であります。
また政府は、今回の消費税率引き上げ決定と同時に、6兆円規模の経済対策を表明していますが、その柱は企業向け減税策であります。しかしながら、働く人たちの賃金は15年連続して低下し続けています。政府統計においても、働く人の実に38%が非正規雇用となっており、「明るさ」を実感できるものは何もありません。 参院選直後の通信社の世論調査でも、「予定通り引き上げる」は23%、「時期を先送りすべき」は35%、「5%を維持」は40%となっており、7割以上の国民が引き上げを決定すべきではないとの認識を示しています。
アベノミクスの第3の矢は「成長戦略」と言われるものですが、労働分野での規制改革は解雇の自由化、残業代の規制などを含め、働く人たちを直撃する内容であり、今後一段と雇用を不安定化させるものであります。7月から実施された地方公務員の給料引き下げと合わせるなら、国内総生産の6割を占める個人消費の冷え込みは、景気回復どころか、今後の冷え込みの大きな要素として見なければならず、到底、消費税率の引き上げを決定できる状況ではないと考えます。
よって、政府におかれては、下記の事項について誠実に対応されるよう強く要望いたします。
記
1 現段階下での消費税率の引き上げ決定(来年4月からの8%へ)は見直すこと。
2 労働法制の規制緩和や非正規雇用の拡大に歯止めをかけ、安心な雇用制度を確立し、消費やくらしを支える政策を実施すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
平成 年 月 日
議長名
内閣総理大臣
財務大臣
厚生労働大臣