意見書第8号 患者数が特に少ない希少疾病用医薬品(ウルトラ・オーファンドラッグ)の開発促進・支援のための法整備等を求める意見書について
議決日:平成25年3月26日
議決結果:可決
地方自治法第99条及び第112条の規定により意見書を次のとおり提出する。
平成25年3月26日提出
熊本市議会議員 田辺正信
同 家入安弘
同 上田芳裕
同 鈴木 弘
同 藤岡照代
熊本市議会議長 津田征士郎 様
意 見 書 (案)
希少疾病用医薬品の開発を促進・支援するため、所要の施策を講じられるよう要望いたします。
(理 由)
難病と言われる疾病には有効な治療薬・治療法がなく、患者数が特に少ない希少疾病用医薬品(ウルトラ・オーファンドラッグ=患者数1,000人未満)は医療上の必要性が高く、他の医薬品と同様、その開発を円滑に進めることが重要です。
そのため、希少疾患関係患者団体はこれまでに「特定疾患への指定、及び治療薬開発の推進」を求める署名活動や「ウルトラ・オーファンドラッグ開発支援と我が国の創薬・難病対策に関する要望」を提出するなど、政府・関係省庁への積極的な要請活動を行ってきました。その結果、厚生科学審議会医薬品等制度改正検討部会など政府・関係省庁からも前向きな検討が強化されましたが、未だ創薬実現に向けた明確な前進は見られません。
例えば、近年、独立行政法人国立精神・神経医療研究センターは、世界に先駆けて縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(DMRV)治療における「シアル酸補充療法」の開発研究を進め、患者団体の要請に応えた製薬企業が独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業を活用して取り組み、医師主導によるDMRV治療薬の第T相試験を終了しました。その後も独立行政法人科学技術振興機構(JST)の研究成果展開事業(A−STEP)の助成を受けましたが、第U・第V相試験を行うには10〜20億円とも言われる巨額な資金が必要であり、財源不足のため開発が暗礁に乗り上げたままになっています。
難病と闘っている希少疾病患者は、日々進行する病状を抱え、もはや一刻の猶予も待てない深刻な状況であり、計り知れない不安を抱きながら一日も早い希少疾病の治療法の確立を待ち望んでいます。
よって、政府におかれては、下記事項について早期に実現されるよう強く要望いたします。
記
1 患者数が特に少ない希少疾病用医薬品(ウルトラ・オーファンドラッグ)の開発を促進・支援するための法整備を行うこと。
2 遠位型ミオパチーをはじめとする希少疾病に関する研究事業の更なる充実強化と継続的な支援を行うこと。
3 希少疾病用医薬品の早期承認と医療費補助を含む患者負担軽減のための措置を講ずること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
平成 年 月 日
議長名
内閣総理大臣
文部科学大臣
厚生労働大臣
経済産業大臣